大野真依（きみとバンド）にインタビュー「DVDには、私たちの素の表情が散りばめられていると思います」

きみとバンドでドラムを担当している、リーダーの大野真依です。一応、「セクシードラマー」と名乗らせていただいています（笑）。
美容が趣味で、スキンケアや基礎化粧品は特にこだわっています。

最初はモデルとして芸能界に入ったのですが、なかなか難しくて。最初、別の音楽ユニットに誘われて、当時はアコースティックギターを持って演奏していました。そのグループに梨央ちゃんが入ることになり、本格的なバンド編成として再結成することに。それで、「何の楽器がいい？」と聞かれてドラムを選び、今に至ります。
全員ゼロからのスタートが望ましかったので、一度やったことのあるギターは選べませんでした。ただ、メンバー全員で「せーの」で楽器を選び、偶然にもやりたい楽器がバラバラだったんです。

私がドラムを選んだのは、音が好きだったからですね。低音が好きで、カッコいいなと思ったので。まあ、後から苦戦するんですけど……（笑）。

私は、もともと部活動などをあまりやったことがなかったんです。学校でもあまり周りに馴染めず、一人で行動しちゃうことも多くて。決して社交的ではなかったと思います。でも、バンドを結成して、メンバーができて。一緒に何かを作り上げるという経験は初めてだったのですが、バンドってそれぞれパートがわかれているので、お互いの存在意義を認め合って、支え合って、みたいな。人として学ぶことが多かったです。

Zeppワンマンももちろんなのですが、やはり「47都道府県全県ツアー」が印象的でした。

ツアーのセミファイナルで、初めてドラムを叩きながら泣いたんです。場所が地元の愛媛県で、両親も来てくれていて。後にも先にも、ドラムを叩きながら泣いたのはあのときだけですね。かなりのめり込んでいたので、泣いてはいたけれど逆に演奏はブレませんでした。『間違えないように』と思いながら叩いてるほうが失敗しちゃったりするんですよね。

それこそ、ツアーのセミファイナルで泣きながら叩いた「amulet」です。
きみとバンドの前身となる音楽グループのときにいただいた曲で。私たちが音楽を続けるはじまりの曲であり、今の音楽プロデューサーとの出会いの曲でもあります。とても思い入れの強い楽曲です。

森田理紗子は、「一番忍耐力のある人」。Zeppワンマンを成功させるための願掛けとして、みんなそれぞれ「毎日何かをやる」と決めたんですけど、理紗ちゃんは「毎朝5km走る」と決意してやりきって、ワンマン終わってからもずっと続けてるんですよ。毎朝5km走るのってかなり大変だし、すごいことじゃないですか。でも、表にしんどさや辛さを出さないんです。だからきっと、どこかで耐えているんだろうなと。忍耐力のある、芯の通った人だと思います。

清原梨央は、「一番全力な人」。全身全霊の熱意をひとつの物事に注ぐというのは、なかなかできることじゃないですよね。それを梨央ちゃんは毎回全力でやっているんです。だからステージパフォーマンスがたくさんの人に届くんだろうなと思います。

ライブが始まる5分前に、プロデューサーから怒られたことがありました。リハの時間ってすごく貴重で、与えられた時間の中で確認しなきゃいけないことがたくさんあるんですけど、自分たちの判断で「もうこれくらいで十分かな」と終わらせてしまったことがあって。

本番前に、ガチ説教されました（笑）。

でも、ステージでは落ち込んだ様子は見せないように頑張らなきゃいけないので、なんとか気持ちを立て直しました。

クラウドファンディングを行うのは、今回で二度目でした。当初は1ヶ月の予定だったのですが、手続き的な都合でクラウドファンディングの期間が2ヶ月になったんです。2ヶ月もあると毎日支援が入るわけじゃなくて、ある金額でピタッと止まっちゃった時期もありました。それでも、ファンの皆さんが押し上げてくれて、終わる2日前くらいに前回を超えたんです。本当に感謝しています。

写真集は海外っぽい雰囲気で、「おしゃれ＆セクシー」をコンセプトに撮影しました。沖縄ロケに行ったんですけど、衣装も20着近く用意して、ストーリーも決めて。DVDは60分ほどあるのですが、カッコいいところ、ナチュラルなところ、色んな自分を見ていただき、最後まで飽きさせないように色々と工夫しました。

完全セルフプロデュースなので、そこをみんなに楽しんでいただけたら嬉しいです。特にお気に入りの衣装はエメラルド色の水着で、撮って出しの写真をファンの人たちに見せたら「日焼け止めのCMみたいだね」と言ってもらえました（笑）。

私が音楽を始めるきっかけとなったユニットのデビューライブが、Zeppだったんです。そのときは姉妹ユニットとして出演していて、自分が後輩。先輩のステージでお披露目させていただく形でした。なので、正直全然ありがたみが分からなかったんです。

その後、きみとバンドが始まり、集客の大変さを思い知りました。
大きなステージに立つって大変なことなんだな、と。

だから、きみとバンドの中でもZeppは大きな目標だったんですけど、当日は本当に一瞬で終わってしまいました。とにかく「楽しい」「またやりたい」というのが素直な感想でした。映像が流れて、幕が下りて「きみとバンド」が始まる、あの瞬間。お客さんがどれくらい来てくれているか分からずドキドキしていたのですが、客席が埋まっていたのを見て感動しました。

私たちはZeppワンマンのプロモーションで累計8万通以上のDMを手分けして送ったんです。1日1,000通くらいですね。その努力が報われたと感じました。

MVだと綺麗にカッコよくきめているシーンが多いと思いますが、ワンマンライブなので色んな私たちを見ていただけると思います。
個人的に見てほしいのは、梨央ちゃんが私に向かって突然変顔してきたところですかね（笑）。その顔を見て私が笑っているところは映っているのですが、梨央ちゃんの変顔を映してるカメラもあるのでは？ と、いま色々なカメラの映像を確認中です（笑）。

そういった、私たちの素の表情が散りばめられていると思います。あとは、あんなに広いステージなのに、急にみんなで理紗ちゃんのほうにぎゅっと寄ったりもしました。いきなり近寄ったら笑ってくれるかなと思って（笑）。そういうのがすごく楽しかったですし、見どころです。

Zeppワンマン当日に打ち上げをやっていて、その様子も収録されているんですけど、その頃プロデューサーが成功祈願で禁酒していたので今よりめちゃくちゃ痩せているんです（笑）。数ヶ月前の映像だけど、ほんと、すごい別人。本番が終わって清々しい表情をしている私たちと、プロデューサーがどれだけ痩せていたかというのをぜひ見てほしいですね。みんな、ビジュアルが輝いているので（笑）。

先ほど話した通り、Zeppワンマンを成功させるための願掛けをしていて、ワンマン発表のときにそれぞれ宣言をしたんです。そこで、プロデューサーは「禁酒」を宣言。ちなみに梨央ちゃんは「アニメ絶ち」、私は7月に公開される大好きな「ジュラシック・ワールドを観ない」という（笑）。プロデューサーって普通はそういうことをやらないと思うんですけど、一緒に参加してくれたので私たちも頑張れました。

「これがきみとバンドだ！」というのが詰まったDVDです。デビューして2年、新体制になって半年で立ったステージ。

異常なスピードですし、粗削りなところもたくさんあると思うんですけど、一人ひとりがきみとバンドの前からやってきたことを全部詰め込んだワンマンでした。綺麗なスタイルではないかもしれないけれど、私たちらしさにあふれたDVDになっていると思うので、ぜひ購入いただいてみなさんに楽しんでもらいたいです。

やはり、日本武道館に立つことがきみとバンドの目標です。さらに言えば、無謀かもしれないけど「インディーズで立ったガールズバンドがいない」というのと「メジャーを含め結成から5年7ヶ月」というガールズバンドの最速記録を塗り替えたいと思っています。

だから、あと3年ちょっとの間には日本武道館に立ちたいです。言ったら叶うと思っているので、これは積極的に伝えていきたいですね。

私はもともとモデルとして芸能界に入りましたが、今はモデルの経験も生かしながらきみとバンドを通して色々な夢を叶えられています。今後は、きみとバンドをきっかけにモデルとしての夢も叶えられたら嬉しいですね。バンドではもちろん、一人ひとりがそれぞれ輝けるグループでありたいです。