2023年8月26日(土)福岡のキャナルシティ劇場から始まる、ミュージカル『浜村渚の計算ノート』。
その後、大阪、名古屋、東京と公演される。
物語は、日本政府が「数学をはじめとした理系の科目を学校教育から外す」ことを宣言したところから始まる。
その制度に反対するテロリスト集団『黒い三角定規』が次々と、とある数学の法則に従い事件を起こす。
そこで、警視庁が数学を愛してやまない中学2年生の浜村渚に協力を要請する。テロ組織と対峙するなかでの渚の成長は、 同級生や大人である刑事たちにも前向きな力を与えていく。
そんな『浜村渚の計算ノート』の主人公の浜村渚を演じる桑原愛佳にインタビューをおこなった。
オーディションの思い出
推:こんにちは。読者のみなさんへ自己紹介をお願いします。
名前は桑原愛佳です。 中学二年生の14歳です!
趣味は、新しいスイーツを食べたり、ディズニーランドに行くことです。
特技は、友達と仲良くなることで、特に同年代の人とはすぐに仲良くなれることかな?って思います。
推:オーディションの映像を拝見しましたが、なかなかサバイバルなオーディションに感じましたが、その中ですごく大変だったことはありますか。
歌とかは事前に準備ができたんですけど、ダンスはその場で覚えて踊る審査がありました。
「間違えても自信を持って踊ってください」と言われたんですけど、ちゃんと覚えられるかすごく不安でした。
あと、演技もエチュード(即興劇)という審査だったんですけど、自分で設定を考えるのは初めてだったので、上手くちゃんと状況を伝えながら、自分で作ったものをできるのか、一番緊張しました。
推:オーディションで、一番自信があってアピールしたいと思ったポイントはどこですか?
あまり作らずに自分らしく、でも渚ちゃんのイメージもちょっと頭に入れながら、オーディションを受けたことかな?って思います。
推:オーディションに参加された5人は、それぞれ違って個性のバラバラの人に本当に誰が受かるかわからない状態だと思うのですが、どんな関係だったのですか?
第一次審査の時はまだみんな緊張してたんですけど、終わった後はみんな「頑張ったね」って言い合えるようになりました。
そのあとも、お互いに終わって戻ってくる時に「お疲れさま~」みたいな感じになって。
最終的には、学校生活の話もしたし、上のお姉ちゃんたちとは、恋バナやお化粧のこととかも聞いたりしていました。
本当に、普通の学校みたいな感じで話をしていました。
推:そんなオーディションを勝ち抜いて、主人公の浜村渚に決まった時の気持ちを教えてください。
それはもう、人生で一番びっくりしたんじゃないか?っていうくらい、本当に信じられませんでしたけど、「また舞台に立ちたい」とか、ずっと「渚ちゃん役をやりたい」と思ってたので、それをできるっていう嬉しさもありました。
今はちょっと実感がわいてきて「わたし、頑張らなきゃ!」って気が引き締まる感じもあります。
浜村渚と桑原愛佳の共通点
推:浜村渚と桑原さんは同じ中学二年生ですが、「自分と共通しているな」とか「似ているな」と思うことはありますか?
はい。 結構たくさんあります。
渚ちゃんは、少し抜けてるところがあって、不器用なところや、恥ずかしがり屋なところが、ちょっと似ているかなと思います。 あと、お菓子が好きなところも♪
普通っぽいところは、すごく似ているのかな?って思います。
推:逆に、ここはちょっと自分と違うなってポイントはありますか?
わたしも、数学はすごく好きなんですけど、渚ちゃんほど頭は柔らかくないです(笑)
渚ちゃんは、すごく天才的な子なのですが、私はそこまで数学がめっちゃ得意って訳ではないんです。
けど、この前中間考査があって、数学が学年で2位だったんです!!
ちょっと渚ちゃんが宿ったなって思えた瞬間でした。
推:一番得意な教科は何ですか?
得意な教科は英語や音楽だと思います。
推:学校でも歌はアピールしているのですか?
恥ずかしくて、そんなに学校では……
みんなには、「元気なんだから」とか「ミュージカル頑張って」と言われるんですけど、めちゃめちゃ大きい声で歌ったりはしないです(笑)
推:原作も読まれたとのことですが、作者の青柳碧人さんの見せたい魅力はどこですか?
渚ちゃんはやっぱり、みんなが共感しやすいキャラクターだと思っています。
『浜村渚の計算ノート』の世界では数学が禁止されていて、渚ちゃんが唯一得意な数学が薄れている世の中に、不安を抱えています。
中学生や高校生が将来に不安を抱えることもあると思うんですけど、そこがみんなに共通して、共感しやすい部分だと思います。
逆に数学が加わると天才的な力を発揮するギャップが、すごく魅力的な女の子なんじゃないかなって思います。
舞台の上でそのギャップをストレートに伝えられるように頑張りたいなって思います。
推:実際に衣裳を着てみての感想はいかがでしょうか?
衣裳が本当に可愛くて、「実際の学校に来て行きたいな」って思うくらいです。
ビジュアル解禁を見て、友達も「うちの学校もこれにして欲しいね!」と言っていました(笑)
すごく可愛くて渚ちゃんに近づいたなと思いました。
推:髪は地毛ですよね?原作のイメージに近いですね。
ここまで切ったのは人生初だったので、最初は慣れなかったのですが、最近はちょっと慣れてきました。
数学に苦手意識のある人でも楽しめる作品
推:ダイアモンド☆ユカイさんは最大の敵として共演されますが、オーディションの時などどんな感じの方ですか?
ユカイさんは、すごく優しくて、温かい雰囲気です。みんなをまとめてくれています。
娘さんが私と同い年らしくて、接し方を分かっていらっしゃるのか、場を和ませてくれる方だなって思います。
推:演技で対峙した時は、またちょっと雰囲気が変わりますか?
はい。演技で対峙した時は “ピタゴラス” という感じがします。
推:数学が苦手なお友達とかが、「浜村渚の計算ノート」を見てくれたら、ちょっと数学が好きになりそうだと思いますか?
一番仲が良い友達が、数学がすごく苦手で。数学のテストもいつも、「できない!!」って言っている子なんです。
でも、舞台を応援してくれていて、公式サイトを見てくれた時に「面白そうだから一番前で観に行くわ」って言ってくれたんです。
私自身も授業を受けるだけより、『浜村渚の計算ノート』を読んだらより面白くて、より数学が好きになった気がします。 なので、ミュージカル化したら、歌や笑える部分もあるので、さらに面白さが伝わりやすいと思います。
数学が嫌いな人でも苦手意識のある人でも楽しめる面白い作品なので、観たら数学を好きになれるんじゃないかなって思います。
推:台本の中の数学的な描写や台詞を表現するのは難しそうですね。
最初に台本を見た時は、難しい数式があるなと思いました。でも、逆にそれが言えたらカッコイイな、とも思います。サラサラ言えちゃうみたいな。
推:今回は主演ですが、そもそも主演は初ですか?
はい。
すごくプレッシャーと緊張もあるんですけど、「これはたぶん大きなチャンスでもあるな」と思うので、皆さんについていけるように一生懸命頑張りたいなって思います。
推:では最後に、メッセージをお願いします。
ミュージカル×数学×ミステリーという新しい3つの要素が混ざった、今までにないミュージカルで、ものすごく楽しい作品になると思います。
ご家族で観られてもすごくいい思い出になる舞台になるんじゃないかなと思うので、数学が好きな方もそうでない方も、ぜひ観に来て頂けたら嬉しいです。
原作:青柳碧人「浜村渚の計算ノート」(講談社文庫刊)
脚色・脚本・演出:植木護 作曲・音楽監督:松田純一
出演:桑原愛佳 / 立石俊樹、藤岡真威人、飯窪春菜、隅田美保、入来茉里、藤岡舞衣、西條妃華
/ 井上小百合、レ・ロマネスクTOBI、朝隈濯朗、ダイアモンド☆ユカイ 他
©青柳 碧人・講談社/ミュージカル『浜村渚の計算ノート』製作委員会