Appare! 永堀ゆめインタビュー「ここにいる自分が一番好きなんです」

9月19日に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)でワンマンライブを行う、7人組アイドルグループ・Appare!の連載企画。本企画はワンマンに対するメンバーそれぞれの心境や、これまでの活動を深掘りする内容となっている。4人目は、ミントグリーン担当の永堀ゆめが登場。

※このインタビューは、Appare!が日比谷公園大音楽堂のワンマンライブ開催を発表した翌日に実施した。

色々なステージを見ているうちに「あっち側に立ってみたい」と思った

推:永堀さんは、グループの中でどういうポジションですか?

よく周りからいじられています(笑)。最近はYouTubeとか冠番組(『Appare!@ チャンネル ~日比谷野音への道~』)を観たファンの方からも「ゆめちゃんって天然で面白いよね!」と言われることが増えて、個人的には嬉しいです。

永堀ゆめ

 
推:ふふふ。どんなところを面白がられるんですか?

自分では普通に生きているつもりなんですけど、何気ない行動や発言で驚かれることが多いですね。ご飯をお肉やお魚など、何かと一緒に食べることができないとか、幽体離脱をしたいと思ってることとか(笑)。

 
推:え? どうして幽体離脱?

人の家に入りたいんですよ。

 
推:それ幽体離脱をしなくてもできますよ!(笑)。

いや、ダメなんです! モデルルームとか友達の家とかじゃなくて、まったく知らない人の家に入りたい。どんな生活をしているのかな?ってこっそり見たいんです(笑)。

 
推:出だしからクセがありますね。

ふふふ。ありがとうございます。

永堀ゆめ

 
推:より永堀さんを知るために、これまでの経歴も教えてください。

お母さんがミュージカル好きで、自分も幼い頃から色々なステージを見ているうちに「あっち側に立ってみたい」と思ったんです。それまでピアノ、ジャズダンス、タップダンスなど習い事は色々とさせてもらっていたんですけど、全て親に勧められて始めたんです。だけど芸能活動だけは自分からお願いをして、小学校の高学年から中学生まで養成所に通わせてもらいました。

 
推:役者とかアーティストとか、どういう方面を目指していました?

将来は役者として舞台に立ちたいと思っていました。小さい頃に何度か舞台を経験したことがあるんですけど、本番前の過程もレッスンの時間もすごく楽しかったんですよね。

 
推:じゃあ選択肢の中にアイドルは?

正直、アイドルになりたいとは思っていなくて。実は、Appare!の前に別のグループでアイドル活動をしていたんです。ある日、歌のレッスンを受けていたら「アイドルをやりませんか?」と誘っていただいて。えー!と思って。

 
推:青天の霹靂ですね。

同じ養成所の子でアイドル方面に進む子もいたから「そういうこともあるんだな」と他人事に思っていたら、まさか自分にもそのチャンスが来て。本当にビックリしたし、めちゃめちゃ悩みました。でも、色々と経験したいタイプではあるので、前向きにチャンスだと捉えて「やりたいです!」と言ったんです。

 
推:それで最初のアイドル活動が始まったと。

そうです。でも、中学3年生で加入したものの、高校1年でグループが解散しちゃって。まだアイドルを続けたいなと思っていたところに「天晴れ!原宿ってグループがあるんだけど、ゆめに合いそうだよ」という話をされて、オーディションを受けることにしたんです。

永堀ゆめ

 

Appare!のオーディションにアイドル人生を懸けた

推:オーディションのことは覚えていますか。

それまでに舞台とかのオーディションを受けていたんですけど、「天晴れ!原宿」の時はそれまでの比にならないくらい緊張しましたね! 今思えば、あのオーディションに賭けていたので、余計に力が入っていたんだと思います。

 
推:賭けていたっていうのは?

「こんなグループがあるよ」と教えてもらった時に、自分がそこにいるビジョンが見えたんですよ。すごい運命的というか、感覚的にビビッと来て。これでダメだったらアイドルはもう諦めようと。最期のチャンスだと思って臨みました。

永堀ゆめ

推:結果は見事オーディションに合格しました。加入1年目を振り返ると、どうですか?

1からのスタートだったので、振りとか歌とかも頑張っていたし、当時は学生だったから学業とアイドルの両立も頑張っていて。しかも、先輩たちに追いつかなきゃいけない。最近色々と自分の中で心境の変化があって、あの頃の自分をすごく尊敬するんです。

推:それはどうして?

学生じゃなくなったのもそうですし、最近は良い意味でも悪い意味でも慣れてきたというか。そういう変化を感じるので、初心に戻るというか、自分を振り返ることが多くなりましたね。

 

Appare!が私の居場所

推:永堀さんの中で「あの時期を乗り越えられたから今がある」と感じる場面はありますか。

「天晴れ!原宿」からAppare!に変わった時ですね。初期メンバーの(成美)みくちゃんが卒業したことが自分の中では、すごく衝撃的で。みくちゃんは絶対に辞めないだろうなと思っていたんですよ。グループに対する気持ちが強かった子が辞めちゃったので、これから大丈夫かな……と不安になりましたね。

 
推:アイドル業界って想像以上にメンバーの出入りが激しいじゃないですか。前回の対バンでいた子がいなくなってる、みたいなことが往々にしてあるし。

そうですね。

 
推:逆に言えば、アイドルを続けている人の方が希少というか。

あぁ、分かります!

 
推:永堀さんがアイドルを続けられてる理由ってなんですか。

Appare!にいる自分が好きだから、です。あとはファンのみんなが好きだから、というのもあります。基本的に、自分はやりたいことがない人間なんです。それでも唯一やりたいと思ったのが、人前に立つ活動だった。ここにいる自分が好きというか、居場所だと思っているんです。

永堀ゆめ

 

自分がなりたい自分になる

推:永堀さんの中で、目標のアイドルっていますか?

正直、こういうアイドルになりたいというのはなくて。自分は自分ってタイプなんです。1番は自分がなりたい自分になることですね。

 
推:「なりたい自分」っていうのは?

あんまり自分のことが好きじゃなくて。「あの時にあぁすれば良かったな」と後悔することが多いので、自分が満足する自分になりたい。例えば、収録の時にこういう返しをすれば良かったなとか、あの話をすれば良かったなとか、そういうことですね。

永堀ゆめ

 
推:確かに、テレビって反射神経が重要ですしね。

そうですよね。

 
推:だけど「こうすれば良かった」と思う時点で、正解の出し方を知っているわけで。その場で行動した自分と、やるべきだった正解を出す自分との溝を埋めたいってことですよね。

そうです。もっと出来たのになって思うことがあります。

 
推:バラエティ番組は、そういう細かい後悔が連発しそうですね。

いつも支離滅裂なことを言っちゃうので。周りの人にも「やばいね!」と言われますね。

永堀ゆめ

推:じゃあ、基本的に変なことをやっちゃう。

そうなんですよ!(笑)。

 
推:それが“らしさ”なのかもしれないですよ。

そうなんですよね。だからしっかりしてない、ポンコツキャラになっているのかなって。

 
推:むしろポンコツキャラを極める方が、永堀さんにとっては正道じゃないですか。

でも、本当はもうちょっとしっかりしたいんですよね! だから、そのギャップで結構落ち込みます(笑)。

永堀ゆめ

 

大きな会場に立つ意識とプレッシャーに負けない強い気持ちを手に入れたい

推:昨日、野音でのワンマンが発表されましたけど、心境はどうですか。

めちゃめちゃビックリしました! みんなで「日比谷に立ちたいね」とは言っていたんですけど、本当に何も決まっていないまっさらな状況から始まったので。正直、大丈夫なのかなと不安になることがあったんですけど、こうして開催の日程も決まって。いよいよ現実になったんだな!と昨日の発表を聞いた時は嬉しくなりました。

 
推:開催が決まる前から、雑誌やWEBインタビューでも野音の話はされていましたけど、実際にやれると思っていました?

自分の中では景色が見えていたというか。満員のお客さんの中で、自分達が日比谷でライブをしてる姿がイメージできていたので、それを現実にしないとってところではあるんですけど。可能性で言うと80%くらいは実現すると思っていました。

永堀ゆめ

推:ワンマンを開催するにあたって、課題はありますか。

グループとしてはまだまだスキルが足りないなと思っていて。ダンスとか歌とかもっと上手くならないといけないって思います。個人的にはメンタル面でも大きな会場に立つ意識を持つことと、プレッシャーに負けない強い気持ちを手に入れたいなと思います。

 
推:これまでのワンマンはどうでした?

人一倍緊張するので、いつも足がガクガクになりながらステージに立っていたんですよ。だから次は堂々とステージに立ちたいですね。それが目標かな。あと課題で言えば、夏の開催なので野外で長時間歌える体力的をつけなきゃと思います。去年「サマースプラッシュ!!!」という水を使ったワンマンライブを各地でやらせていただいたんですけど、その時も体力的にキツくて。楽しい思い出にはなっているんですけど、もうちょっと対策をしたら、体力的に落ちることはなかったのかなと思いますね。

永堀ゆめ

推:じゃあ今の課題はスキルとメンタルと体力ですね。

あと、1番はみんなと楽しむことですね。そこを1番に目指していけたらいいなと思っています。

 
推:集客はどうですか?

正直、焦りはあります。元々Appare!が好きで応援してくれている人は、もっとグループを好きになってくれているとは思うんですけど、まだ知らない方に振り向いてもらうにはまだまだ足りてない要素がいっぱいあって。そこは頑張らないといけないなと思います。

 
推:ラジオとかテレビに出たことで、お客さんが増えてる感じはあります?

「YouTubeを見てきました」「テレビを観ました」とか、そういうメディアの効果は実感しています。ただ、もっとお客さんを増やしていかないといけない。……難しいですよね。自分基準で考えると難しいなと思っちゃいます。やっぱり1本1本のライブで良いものを見せなきゃいけないし、応援したいと思ってもらえるように頑張らないといけない。あとは雑誌やテレビなど、目に触れる機会も作らないといけない。やらなければいけないことは、たくさんあるかなとは思います。

永堀ゆめ

 

1本のオーディションで、私の人生は180°変わった

推:これまで公言していきた野音が決まって、これで満員の会場で歌えたら1番良いドラマですよね。

それは叶えたいですね! みんなと一緒に素敵な景色が見られるようにしたい。自分も発表されたからには、それに向けて本気で頑張らないといけないし……頑張ります!

永堀ゆめ

推:振り返って高校生の時、「天晴れ!原宿」のオーディションに誘われなかったら、今頃どうしていたと思いますか。

んー……普通に生活していたのかなと思います。

 
推:じゃあ芸能界にはいなかった。

はい。だから1本のオーディションを受けたことで、私の人生は180°変わりましたね。

 
推:1番嬉しかったことはなんですか。

やっぱりグループに入ったことですね。あの時の感動はもう味わえないと思うので、一生忘れられない良い思い出です。こんなに大変なんだ!と思うことばっかりだったけど、こうして今も活動を続けられて、新たな目標に向かって頑張れているのは嬉しい。いまだにAppare!の永堀ゆめでいる嬉しさを持っているから、私は前へ進めるんです。

永堀ゆめ

テキスト:真貝聡
撮影:ケン木村

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