「アイドルの延長線上ではない」高柳明音が語る、『Spirit』から始まるアーティスト活動

高柳明音

SKE48卒業から時を経て、高柳明音がミニアルバム『Spirit』で新たな一歩を踏み出す。
インタビューでは「安易にアーティストとは名乗れない」と語る彼女の、ストイックなまでの音楽への向き合い方を深掘りした。SKE48時代とは一線を画すソロ活動でのプレッシャー、そして高柳明音の「個」を投影した歌詞制作の裏側に迫る。アイドル時代の経験を糧に、独りで戦い抜く彼女の現在の”スピリット”を語ってもらった。

SKE48時代とソロアーティストの違い

推し:ミニアルバム『Spirit』を発売されるとのこと、おめでとうございます。
早速ですが今回のアルバムをきっかけにして、アーティスト高柳明音としてスタートするのでしょうか?

高柳明音:その意識を持って活動していけたらと思っていますが、自分はまだ本格的な「アーティスト」というものに入れないと思っているので、それを作るための段階という気持ちです。

推し:今までアイドルとして活動してきたところの延長線上にあるのか、それともちょっと違う気持ちでやっていくのでしょうか?
高柳明音:間違いなく延長線上ではないですね。卒業して音楽活動から一回離れているので、そのまま続けたなという感じでは全くないですね。でも間違いなくアイドルの時に活動していたことが全て糧にはなっていて、その経験が全てココに繋がっているなというのはすごく感じます。
一人になって初めてやることとか、気持ちの持ち方も全然違うのですがけど、ステージに立つ時の自分の心の持っていき方とか、お客様を楽しませたいという気持ちは間違いなくアイドル時代と同じように持っています。それ以上にプレッシャーは変わらずにありますね。

高柳明音

推し:やっぱりメンバーと一緒に活動していた時よりも、ソロの時の方がプレッシャーは感じますか?
高柳明音:全然違いますね。SKE48の時はもちろんプレッシャーとか緊張感もあったんですけど、2期生として活動していた12年間は、自分の場所を作り上げたところでした。挑戦とか戦いとかではなく「みんなを楽しませたい」という気持ちだけでしたね。
新曲を初披露するとか、総選挙とか戦いの場はもちろん緊張感もあったんですけど、一人で背負っている感はグループの時はなかったです。「みんなでSKEを背負っている」というのから、「高柳明音でみんなを迎え入れて満足させて楽しんでもらって好きになってもらう」になりました。一人称で戦っているというか、自分との戦いもかなり大きいとソロになってから、とても感じていますね。

推し:先日開催されたソロライブは、やっぱりSKEの時とは違う気持ちの持っていき方でしたか?
高柳明音:プレッシャーが段違いでしたね。途中でステージから捌けられないし、歌詞が飛んでも誰も助けてくれないですし。
もちろん当時からプロとして意識してステージに立ってはいたんですけど、グループの時と違って今はカバーしてもらう事ができないので、プレッシャーはすごく大きいです。
初めてのソロライブは一昨年の15周年の時で、自分の曲は1曲と、SKEの思い出の曲をやらせていただきました。けれど、2月の「1stライブ」と銘打ったライブでは自分の曲が4曲に増えて、『爛漫スピリット』は最初とアンコールでも歌って、自分の曲で盛り上がって自分の曲で楽しんで、という楽しさを知れたのがすごく大きかったです。

高柳明音
 

推し:グループで歌って盛り上がる時と、ソロの自分の曲で盛り上がるのは受ける感情や感覚は違いましたか?
高柳明音:喜びは変わらないです。グループの時も私は「煽り担当」だったので、よくライブのイントロとか間奏で煽りを任されていました。そういう時にみんなが答えてくれる嬉しさとかは全く変わらないですね。
でも、やっぱり自分で書いた歌詞だからこそ、それをみんなが楽しんで喜んでくれるのはまた違う嬉しさがあるなって思います。
推し:自分の気持ちを込めて書いた歌詞ですもんね。
高柳明音:そうですね。今までは書いていただいた歌詞を解釈して自分の中に入れてみんなで伝える形だったのがですけど、今回は100%自分ということになるので。
あとは今回、『爛漫スピリット』は振り付けがありますが、他の曲には振り付けがなくて、全部手拍子とかその場でのれる感じになっています。それがアイドルと違いますね。手拍子が入る曲はあるけど、手拍子で歌う曲はたぶん1曲もなかった、それがアイドル時代とは違うなと感じます。

推し:空気感もちょっと違うステージでしたか?
高柳明音:自分のソロライブは、あの頃を思い出すような感じはすごくありました。自分の曲で、手拍子などしてくれるのは新鮮ではありました。けど、「変わらないものもあるな」とは思いました。

推し:昔からずっと自分を推してくれている人がいると、安心感もありますよね。
高柳明音:本当にそれはめちゃくちゃ大きいです。どこにいてもみんながいてくれて、私の曲を楽しんでくれるみんながいるから、初めて来てくれた方とかも楽しい気持ちになれたりとか。
2月のソロライブは舞台の共演で仲良くなったお友達も見に来てくれていたんですけど、「すごい熱気と勢いで初めての体験だった」と言ってくれて。そのお友達はアイドルのライブとか行ったことがなくて、コールとかもすごく新鮮だったし、一人で歌って踊ってMCして企画をやっていたことも、「本当に全部一人でやっているんだね」と驚いていました(笑)
今までは役割分担があったけど、今は全部自分でやるので音楽を楽しんでるという感じは今の方が大きいかもしれないです。

高柳明音

 

歌手と女優の違い

推し:歌手としてステージに立つ時と、女優として舞台の上に立つ時は、同じステージでも気持ちの切り替えのスイッチみたいなのはあったりしますか?
高柳明音:私は仕事をしている時にはスイッチが入っているのですが、スイッチの入り方はステージに出た時に入れる感じです。袖にいる時はちょっとスイッチに指をかけるぐらいで、出た瞬間にカチッと入るような。本当にステーの上は魔法だと思っています。
ライブはセットリストが決まっていて、自分の曲も今までの思い出の曲もあって、それで楽しんでもらえるけど、舞台は本当に日によってお客様の反応が全く違います。「今日はここで笑いが起きるんだ」とか、「この間ここ反応良かったのに今日は静かじゃん」とか。
舞台とソロライブでは、経験している回数が違うので比べるのは難しいですが、舞台が1週間あったとしたら土日は新しいお客さんが来てくれたり、平日は毎日通ってくれる方がいたり、何回も見ているから違いに気付いて反応してくれる方もいます。
「これを入れた方が今日は盛り上がりそうだな」というのはライブでも感じることはありますが、その日その日のお客さんの反応の違いは舞台とライブは全く違うかもしれないです。

高柳明音

推し:舞台の場合はお客様の反応によってアドリブで変えたりするのですか?
高柳明音:アドリブが全くない舞台ももちろんありますけど、その中でもちょっと間を開けるだけでも反応が変わったりするし、毎日全く一緒ってことはないですね。
それはライブも同じですが、何かひとつで反応が大きく変わる点は違う気がします。ライブは大胆に、芝居は繊細に、みたいに意識しています。
私のライブは今のところ元気な曲で構成されることが多いので、バラードの時はもちろん繊細に静かに歌って聴かせられたらいいなと思っているんですけど、基本的には割と大胆に仕掛けていくことが多いですね。舞台は相手の役者さんがいるし、本当に繊細な気がします。

 

『Spirit』について

推し:今回のアルバムのタイトル『Spirit』にはどんな意味を込めたのですか?
高柳明音:『爛漫スピリット』という曲がアルバムに入っていて、その「スピリット」という言葉がすごく好きだったのと、精神的に自分にリンクする部分があるのかなと思ってつけました。
すごくしっくりきてこれ以外の選択肢がなかったぐらい、タイトルは『Spirit』以外浮かばなかったですね。大文字にするか小文字にするか考えたぐらいです。
推し:揺るがないくらい、はまったタイトルだったのですね。
高柳明音:ミニアルバムを制作するとなった時は、公演タイトルを『Bright Sound』と決めていました。『Bright Sound』は私の名前の“明るい音”からきているので、このタイミングでミニアルバムが出るならアルバムタイトルも『Bright Sound』がいいかな?と思っていたんです。でも並べてみたときに『Bright Sound』はすぐに候補からなくなって、他の曲から名前をもらう感じでもなく曲名と睨めっこしていた時に「スピリットという単語がしっくりくるかも」と思って決めました。
基本的に私の言葉で綴っているので、アルバムを聴いてスピリットを感じてもらえたらいいなと思います。

高柳明音

推し:アルバムの曲の中で、一番完成まで歌詞に時間がかかった曲はどれですか?
高柳明音:『Bright Sound』です。メロディが早くに決まっていたこともあり、完成までが長かったですね。
『星、流れる夜に君を想う』は歌詞先行で、曲に当てはめながら書くことをしなかったので、音の感じに囚われずに私の言葉を綴れたので、そんなに時間はかからなかったです。
『O.A.!! Summer Tune☆』は難しかったですがのですけど、「ラジオ」というテーマがあり、自分が作った空想の物語と登場人物だったので書きやすかったです。

推し:『Bright Sound』が一番苦戦して時間がかかったのですか?
『爛漫スピリット』は私の思いを文章で一気に送って、それを俊龍さんがまとめて下さいました。一緒に考えて作ってくださったので、一人で悩みながらという時間も少なかったです。
『Bright Sound』は本当に自分と向き合って考えた歌詞で、『O.A.!! Summer Tune☆』の曲を決める時に頂いたデモ楽曲の中の1曲でした。その時はコンセプトの「夏のラジオ」と少し違ったのですが、曲メロディが良すぎて「いつか、この曲に歌詞を載せたいです」と伝えてずっとキープしてもらっていました。そのキープの時間が半年以上あって。「ソロライブで初披露する楽曲はこの曲がいいな」となり、そこから歌詞を考え始めました。なので、一番期間が長かったです。最初の4行の歌詞が本当に何も出なくて、ギリギリまで悩んで何回も書き直しをしていました。

高柳明音
 

推し:では『Bright Sound』の中で、一番気に入っている歌詞はどこですか?
高柳明音:「Bright Sound」以外は、全部日本語にしているんです。「Bright Sound」も日本語にしたかったけど、さすがに「明音」にする訳にいかなくて(笑)
お気に入りは、全部好きなんですが「伝えなかった優しさは私だけの夢の余白」は、色々な解釈があります。
諦めないといけない夢だけど、自分の中に微熱として残っていて「悔しいけど、泣けるほどでもない」みないな気持ちを1番で綴っています。
最初は誰かを励ますような応援歌にしたいと思っていたのですが、気がついたら自分に置き換えて、誰かに寄り添える曲になっていました。

推し:ファンの方も、色々な事と重ねたりできそうですし、歌詞カード見ながら聴いてほしいですね。
高柳明音:まだソロライブやリリースイベントでしか披露していなくて、歌詞はどこにも載っていないので、アルバムを手に取って歌詞カードを見てやっと感じられる世界です。ファンの皆さんは考察厨なので「あ、私はそこまで考えてないかも」「それは違うかも」ってこともたくさんありそうだけど(笑) でも、みんなの解釈で楽しんでくれたらいいなって思います。
みんなと一緒に悔しい思いも乗り越えてきたなと思うので、きっといろんな景色を思い出してくれたら。聞いた時に、私とのいろんな思い出が浮かぶなら、それはそれで正解だなと思います。

推し:今回のアルバムの中で、一番「私っぽいな」という曲はどれですか?
高柳明音:全部私なんですよ。
『爛漫スピリット』は共作なので全てを自分が書いていないからこそ、挑戦的な言葉をいっぱい送りました。全部私の思いから生まれたものではあるんですけど、うまくオブラートに包んで作ってもらっています。

高柳明音

推し:『星、流れるように君を想う』は、愛鳥を亡くしたことと、ファンへの思いを重ねた曲ですよね。ライブで歌うってなったら、涙を流しちゃう可能性はありそうですか?
高柳明音:15周年の時に初めて歌った時は、まだ愛鳥が虹の橋を渡って間もなかったので、泣きました。これこそ本当に自分の心をごまかさないと保てなかったです。
歌詞にするとそれがストレートになるので、練習の時とかも「うっ」となっていました。歌詞にも「君だけに伝える」とかも入っていて。
今も寂しいですし、思い出して「会いたいな」と泣くんですけど、歌っている時に泣くのは堪えられるようになりました。
1番と最後は「みんながいてくれたから私は支えられて頑張ってこられて、これからも会えるかな、会いたいな」という思いをシンプルに歌っているので、そこはとっても優しい気持ちで歌えています。

 

今後の活動について

推し:今後アーティストとして、挑戦してみたいジャンルとかありますか?
高柳明音:挑戦してみたいことは、いつか「弾き語り」をしてみたいです。今年どこかのタイミングでピアノを習おうかなと思っているので、『星、流れる夜に君を想う』とか弾き語りできたらいいなと思っています。 他にも、シンガーソングライターの友人が「合う曲が降りてきたから、温めているよ」と言ってくれているので、一緒にやりたいなとおも思っています。
あとは、私が好きで自分のレギュラーラジオのゲストにオファーさせていただいた「ONIGAWARA」さんというアーティストさんがいらっしゃるんですが、いつかONIGAWARAさんに(曲を)書いていただけたら嬉しいです!

推し:最後に、今回『Spirit』を手にする人に向けてメッセージをお願いします。
高柳明音:私自身が、繊細な部分もあれば大胆な部分も持ち合わせていて、今回入っている4曲すべて曲の色が違うけど全部自分です。それが私の「スピリット」だと思うので、それを感じてもらえたら嬉しいです。
あと今回は、インストではなくオフボーカルにして、私のハモリが入っています。私がハモリも全部担当しているので、「ファンの方が歌ったら私がハモってあげるよ」という楽しみ方もできます。なので聴いて楽しい、歌って楽しい1枚になれたらいいなと思うので、ぜひ楽しんでください。

高柳明音

リリースイベントが開催中

現在、1stミニアルバム“Spirit』のリリースイベントが下記の日程で開催される。
ぜひ、足を運んでアーティスト高柳明音の姿を見てほしい。

4月19日(日)タワーレコード渋谷
4月26日(日)タワーレコード渋谷
5月6日(祝・水)名古屋市内
5月16日(土)都内
5月31日 (日) OLサイン会

詳細は高柳明音公式HPへ
https://akane-takayanagi.jp/contents/1063055

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