清原梨央(きみとバンド)にインタビュー「『超・きみとバンドなDVD』、こんなにきみとバンドらしさが詰まった映像があるかな?」

清原梨央

今年8月にZepp Hanedaでのワンマンライブを成功させた、ガールズバンド「きみとバンド」。ワンマンの様子を収録したDVDの発売を記念し、インタビューを実施。今回は、ギター・ボーカルの清原梨央に話を聞いた。

バンドやるよ、今から

推:自己紹介をお願いします。

清原梨央
清原梨央
きみとバンドでギター・ボーカル、パフォーマンス、あおりを担当している、清原梨央です。料理が趣味で、最近は大葉入りのつくねハンバーグを作りました。

推:バンドを始めようと思ったきっかけについて教えてください。

清原梨央
清原梨央
きみとバンドはちょっと異色で、「バンドをやろう」って集まったグループじゃないんです。事務所にメンバーが集められて「バンドやるよ、今から」って。そのときに初めて楽器を購入して、バンド活動がスタートしました。前のユニットを卒業してから、同じ事務所の子たちと何かやるという話は聞いていたのですが、急にバンドをやることになったのは少し驚きましたね。

事務所の人は「バンドは息が長い」と思って、ガールズバンドの結成を決めたそうです。私自身も「長く活動していきたい」という気持ちがあり、音楽を聴くのは好きだったので、ぜひやってみたいなと思いました。でも、後からかなり苦労することになるんですけどね(笑)。

清原梨央

 

感極まって泣いてしまいました

推:バンドを始めて「良かったな」と思うことについて教えてください。

清原梨央
清原梨央
すごく良い出会いがあったと感じています。私は学生時代、運動部とかではなかったし、夢というものがそもそもなくて、一生懸命になれるようなことを見つけられなかったんです。

でも、いま、同じくらいの熱量で同じ夢に向かって頑張れる子たちと出会うことができました。チームワークも良いですし、人生が大きく変わったなと感じています。今まで人との関わりを避けてきた自分がそう思えるようになったのは、きみとバンドのおかげだと思います。

推:バンド活動の中で、特に思い出に残っていることについて教えてください。

清原梨央
清原梨央
47都道府県全県ツアーが思い出に残っています。2年くらい前の冬にスタートしたツアーなのですが、毎週末に各地でライブがあったんです。毎回来てくださるファンの方もいてくれて、皆さんに成長した姿を見せなきゃいけないから絶対に手は抜けない。
あそこまでライブと真剣に向き合って、バンドにひたむきになれたのはそのときが初めてだったんです。今も、あのツアーがあったから挫けないと思える出来事が多いですし、バンド活動の軸になる経験でした。

清原梨央

推:きみとバンドの中で、特に好きな楽曲を教えてください。

清原梨央
清原梨央
「amulet」が好きです。Zeppワンマンでこの曲を歌っているとき、真依ちゃんのほうを振り向いたら感極まって泣いてしまいました。これは私が加入する前の曲なんですけど、実はその頃にTwitterのタイムラインでたまたまこの曲が流れてきて「めっちゃ良い曲もらってるじゃん……」と思ったことを覚えています。だから、「amulet」をバンドバージョンでやると決まったときはすごく嬉しかったですね。始まる前も、あとも、ずっとあり続ける曲。他には替えられない、特別な曲です。

推:メンバーそれぞれに「一番○○な人」という称号をつけて紹介してください。

清原梨央
清原梨央
森田理紗子は、「一番不思議な人」。出会って一年ちょっと経ったけど、本当につかみどころのない人だなあと(笑)。不思議な雰囲気があって、笑いのツボもちょっと変。第一印象は礼儀正しくて謙虚な子というイメージで、根本的にそれは変わらないんですけど、そこに不思議な魅力がプラスされた感じ。すごく魅力的な人で、好きです。
清原梨央
清原梨央
大野真依は、「一番冷静な人」。初期の頃からリーダーをやってくれているんですけど、最初は「まあ、真依ちゃんが一番お姉さんだし、リーダーだよね」くらいに思っていて、でも今では「リーダーは真依ちゃんしかいない!」と確信しています。私は感情的になりやすく、気持ちがブレやすいほうなんですけど、真依ちゃんは常に冷静でアドバイスもすごく的確。本当に、私専属のお悩み相談室みたいな感じ(笑)。いなきゃダメな存在ですね。

 

生誕記念にフォトエッセイを発売

推:今だから言える、きみとバンドのエピソードがあれば教えてください。

清原梨央
清原梨央
ワールドカップの日本VSコスタリカ戦が終わったあとくらいに、ライブのMCで森保監督のモノマネをやったんです。
それも、ライブが始まる直前にプロデューサーから「いまワールドカップやってるから、ネタで入れたほうがいいんじゃない?」って言われて。

でも、ほんと、スベり散らかしたんですよ(笑)。
私、よくプロデューサーにスベらされるんです。スベらされ担当ですね。

推:生誕記念にフォトエッセイを発売されるとのことですが、ご自身の“光と影”をさらけ出そうと思った理由や、作品づくりに込めた思いについて教えてください。

清原梨央
清原梨央
影の部分があるほうが、より光に深みが出ると思うんです。私はアーティストさんの歌詞でも比較的暗いものが好きなんですけど、私はステージの姿だけだとただ陽気な人だと思われがちで(笑)。でも実際は、学生時代は学校にも行けず、人ともうまく話せないような子でした。

そういう部分を知ってもらったほうが、私がステージに立つ理由とか、なんであんなに元気にパフォーマンスしてるのかとか、届けたい思いがダイレクトに伝わるんじゃないかと思い、今回のフォトエッセイの制作に至りました。

発信者として暗いことを伝えるのは良くないのかもしれないけど、フォトエッセイという限られた場所で、大切な人にだけ届くというのは、むしろ表現者として良いんじゃないかなと思っています。ファンの人には、フォトエッセイを通じてありのままの自分を見てほしいです。

清原梨央

 

みんなの感情がこもった「オレンジ色の世界」

推:Zepp Hanedaでのワンマンライブの感想を改めて教えてください。

清原梨央
清原梨央
きみとバンドの活動の中で、圧倒的に大きなステージでした。私は前のユニットを卒業して3年くらい経つのですが、その間ずーっと苦悩していて。バンドとしてもっと魅力的になるにはどうしたらいいか、自分がきみとバンドのためにできることってなんだろう、と、常に試行錯誤しながら活動してきました。

だから、Zeppワンマンでの景色が「全部間違ってなかったんだよ」と教えてくれたように思いました。
その景色を見た瞬間に、すべてが報われた気がしましたね。Zeppワンマンが決まってから休みなく色んなことに挑戦していたので、その一日が頑張ってきた日々のご褒美のように思いました。もう、とにかく楽しかったです。

清原梨央
清原梨央
Zeppワンマンを経て、色んなことが変わりました。取材していただく機会が増えて、ライブに足を運んでくださる方も多くなり、地方でのライブで「Zeppワンマンに行ったよ」と声をかけてくれる方もたくさんいて。
きみとバンドの「きみ」(※ファンのこと)が増えてくれたように思います。本当に、あのZeppワンマンはこれからの活動にも大きな影響を与えてくれました。

清原梨央

推:今回発売される、ワンマンライブを収録したDVDの見どころを教えてください。

清原梨央
清原梨央
個人的なところで言うと、「オレンジ色の世界」という曲があるのですが、これは私が初めて作詞した曲で、一年ぶりくらいに披露する楽曲だったんです。

新体制になってから一度もやってなかったんですけど、すごく感情を乗せて書いた曲で。毎回のライブでやるのではなく「届けたい気持ちがあるときにやろう」と話していて、Zeppワンマンが「ここだよね」というタイミングでした。

Zeppワンマンでは一人ひとりにMCの時間があって、私はそこで学生時代の話をして、「こういう大きいステージに立った自分を見てもらいたい」と思ったので、その話の流れで歌いました。みんなの感情がこもった「オレンジ色の世界」を、ぜひDVDで見てもらいたいですね。

清原梨央
清原梨央
ただ、そのとき顔に髪の触覚部分がガッツリかぶさってて、ちょっと面白いことになってます(笑)。
一周目は真面目に見てもらい、二周目あたりでそこにも注目してもらえると(笑)。

清原梨央

推:今回のDVDには舞台裏の様子も収録されているとうかがいました。本編以外での見どころについても教えてください。

清原梨央
清原梨央
新宿LOFTのステージでワンマンの告知をすることになっていたんですけど、私がそれを任されていて。「噛んだら終わりだな」と思い、前日もお風呂の中で練習していて、ライブの頭からずっとドキドキでした。

しかも、ファンの人たちには「良い発表」だというのをあえて伝えていなかったんです。だから、当日来てくれた人たちもドキドキしていたんじゃないかなって。そういった裏側が収録されているので、ぜひ見てほしいですね。

清原梨央

 

超・きみとバンドなDVD

推:今回のDVDは、きみとバンドにとってどんな作品に仕上がりましたか?

清原梨央
清原梨央
一言で言うと、「超・きみとバンドなDVD」。こんなにきみとバンドらしさが詰まった映像があるかな? っていうくらい。Zeppワンマンまでに路上ライブ、ビラ配り、配信も毎日やって、みんなで支え合いながら頑張って満員のZepp Hanedaに辿り着くことができました。それがメンバーの表情だったり、ファンの方の姿から、きっと手に取るように感じ取れると思います。

今まできみとバンドを支えてくれたファンの方にも、これから一緒に歩んでいきたいと思ってくれている方にも絶対に見てほしい映像になっています。

推:今後の目標について教えてください。

清原梨央
清原梨央
きみとバンドとしての夢は、やっぱり日本武道館です。正直、Zepp以上に無謀な挑戦になると思います。もちろん、1~2年で叶えるのは難しいかもしれないけれど、次の目標として掲げて、それまでにできることはなんでも頑張りたいです。きみとバンドらしい、面白いやり方で、がむしゃらに泥臭く武道館まで行きたいですね。
清原梨央
清原梨央
個人的な目標だと、先ほどお話した通り今度フォトエッセイを発売させていただくのですが、私は人に自分が思っていることを伝えて共感してもらったり、それで誰かの背中を押すことが夢なんです。もっと自分の人間性を出して、より表現者として評価していただけるようになれたらと思っています。

清原梨央

 

テキスト:渡辺ありさ
撮影:ケン木村

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