7月12日、3人組アイドルグループ・ピューパ!!が、東京・渋谷WWWにてワンマンライブ『the Co-create Disc』を開催した。
2018年に始動したピューパ!!は、これまでに代官山UNIT、恵比寿LIQUIDROOM、渋谷club asiaなどでワンマンライブを開催。カワイイとエモを通奏させた多彩なサウンドでいわゆる「楽曲派」のアイドルファンから信頼を集めてきた。その一方で型にハマらない活動スタイルも彼女たちの魅力であり、今年だけでもファン参加型の『バトルアイドルズ大運動会2025夏』開催やサーキットイベント『春のYOIMACHI』における実際のラーメン店でのパフォーマンスがタイムラインを賑わせるなど、自由な遊び場を育て続けている。
テキスト:サイトウマサヒロ
撮影:タケシゲ
ファンとともに創り上げた多角的な魅力あふれる74分間
天音たると、柊ゆいの、羅あらたからなる現在の3人体制では初のワンマンライブとなる本公演では、「CD」をコンセプトに据えた。その頭文字を「Co-create(ファンの声や動き、呼吸との「共創」)Disc」と定義し直し、CDの最大容量と同じ74分のセットリストを構成。「都市」「記憶」「熱」「光」をイメージした4ブロックのステージが繰り広げられた。

最初のブロックは「都市」だ。1曲目「ピューパのおまじない」のイントロで勢い良く登場した羅あらたが「最高の74分をCo-create、みんなで作ろう!」と呼び掛けると、それに応えるように熱いコールが叫ばれる。ポップパンクな「月のスポットライト」を挟んで、先日初披露されたばかりの最新曲「フィードバック・ループ」、House色の濃い「border」とダンサブルな楽曲が続き、前方のオーディエンスはモッシュピットとダンスフロアの境界線上で狂騒。それはまさに、人波に揉まれながらその摩擦によって互いの存在を確かめようとする都市の景色とリンクする。早くもクライマックス級の盛り上がりだ。
しかしメンバーが一度退場すると、繊細なアルペジオと水音が重なり合うSEが空気を一変させる。「記憶」ブロックでは、VJがリリックビデオを投映した「Lotus」、羅あらたによるポエトリーリーディングパートがアクセントとなる「Ajisai」など、言葉とメロディーにフォーカスを当てたミドルチューンをしっとりと披露。とりわけ、振り付け無しで歌い上げられた「Orange-belly」は白眉だった。浮遊感と透明感を湛える天音たると、確かな芯を保ちながらまっすぐに届ける羅あらた、低音に憂いを託して解き放つ柊ゆいの。それぞれの歌声が共鳴する三声コーラスが、夕暮れ時を思わせる照明も相まって情緒たっぷりに空間を埋め尽くす。また、この日初披露された「タイムシーフ」はキッチュな愛嬌がリラックスしたムードとともに弾ける一曲で、グループの新境地を感じさせてくれた。

「ぼくらのおやつ」から幕を開けた「熱」ブロックは、文字通り再び会場の温度を高める力強い楽曲が揃い踏み。「Vanilla」で眩く輝く3色のペンライトとストロボライト。「Re Enter」では、音数を抑えたブリッジからサビに向けてのドラマチックな展開に合わせてダンスもしなやかさから躍動感へと重心を移すことで、表現に奥行きをもたらしていく。4月23日にリリースされた最新シングル「Circle line」ではフロアの一人一人がクラップによってビルドアップに加わり、天音たるとのロングトーンとともに突入するドロップで一斉に沸き立った。
そして、あっという間にライブ本編は終盤へ。締めくくりの「光」ブロックで届けられた5曲は、どれもこの先に続く未来を真正面から見つめるものだった。「How to 5o」の<きみが笑えばそれが答えだから/また、会えるよ>といったフレーズを、3人は一言一言を噛み締めながら切実に響かせる。
足元を揺らす図太いキックとベースに対してギターフレーズは上空を煌びやかに瞬き、その狭間をくぐった歌声がスッと胸の奥に届く。そんなピューパ!!ならではの音響体験は、「FUTURE IS MINE」で極まっていた。

「Haconiwa no kizuna」のイントロで柊ゆいのが「まだまだ盛り上がっていけますか? 最後まで楽しい時間を過ごしていきましょう!」と煽ると、ここまでで最大音量のMIXが発動する。ハイライトにふさわしい空気感の中、ラストを飾ったのはこの日2曲目の初披露曲「Echoflare Sequence.exe」。エモーショナルかつドラマチックに駆け抜けていくエレクトロチューンで、<今日みたいな瞬間を思い出すために走り出すの><スポットライトはずっと僕を照らしてくれる>と強い決意の言葉が綴られているのが印象的だった。一礼してステージを去るメンバーに、惜しみない拍手が送られる。

アンコールで再登場した3人は、順番にMC。「みんなの呼吸や声や光をひとまとめにして今日を作る『Co-create』というコンセプトは、みんなの応援のおかげで大成功になったんじゃないかなと思います」(天音たると)、「これからどうなっちゃうんだろうってずっと考えてたんですけど、ゆいのんとたるちゃんとみんながいたら何でもできるんだなって思いました」(羅あらた)、「お祭りのようなライブも魅せるライブもやってきて、ピューパ!!って無限なんだなって思いました。今日もこれまでもこれからも、本当にありがとうございます」(柊ゆいの)とそれぞれの言葉でファンやメンバーに感謝を伝えた。
ピースフルなムードを充満させながらライブを再開させると、まずはおもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさとサイケデリックトランス風のハードなサウンドが織りなすギャップが楽しい「パラレルニューワールド」を投下。そして最後はアンセミックな「ノーモアクライ」で会場を一体感に包んだ。余力を振り絞り切るようにシンガロングするフロアと、その景色を目に焼き付けるようにまなざす3人の姿は、まさにCo-createによって完成する空間を体現していた。
この日発表された通り、8月29日にはオールナイトイベントを開催、さらに9月から来年1月まで5ヶ月連続のリリースが決定するなど、これからも歩みを止めないピューパ!!。その無限の可能性がどんな未来を創るのか、満足感とともに期待が込み上げる一日だった。

ピューパ!!


天音たると

柊ゆいの

羅あらた


