2023年8月2日(水)初台Doorsにて行われた、「針尾ありさ・The Last Live」が開催された。
8月にラストライブを行うことを、3月のバーステーライブで発表していた針尾ありさ。デビューから11年、バクステ外神田一丁目、エラバレシを経て、ソロアイドルとしても活躍してきた針尾の、本当の意味でのラストステージ。
彼女の集大成となるライブを目に焼き付けようと、多くのファンが初台Doorsに集まった。
針尾ありさ・The Last Live
最初に登場したのは、モノマネ芸人のFUJIKIN。長らく針尾を見守ってきた彼は、「あっという間に当日を迎えることになりました。最後の最後まで、針尾ありさのステージを楽しんでもらえたら嬉しいです」と、少し寂しげにコメントした。
香村奈保がオープニングアクト
その後、オープニングアクトでは、中2映画プロジェクト・ヒロイン選抜の香村奈保が登場。今朝、九州から東京に到着したという16歳の彼女。針尾について「大先輩なので最初お会いしたときは緊張しましたが、本当に優しくて。生で直接お声を聴くと、本当に可愛くて大好きです」と話した。しっかりしたトークに加え、圧倒的な歌声とステージパフォーマンスで会場を盛り上げる香村。16歳とは思えない大人びた立ち振る舞いで、ファンの度肝を抜いた。
針尾ありさがステージに登場
そして、ついに針尾ありさが登場。
中2映画プロジェクト・アイドル部のクルクルとなゆこてゃんが針尾の脇を固め、パフォーマンスをサポートする。針尾はピンクを基調としたアイドルらしいキュートな衣装に身を包み、客席からは「かわいい」という声が多く飛び交った。
大勢の観客が見守る中、1曲目に披露したのは『Oh my destiny』。続く2曲目は『ドキッ! こういうのが恋なの?』。可愛すぎるパフォーマンスで、会場を沸かせる。そのまま『KiraKira my heart』を熱唱。3人で笑顔いっぱいの歌とダンスを見せ、最後は清々しい表情でポージングをキメた。


MCでは「一人では難しかった曲を2人が一緒に踊ってくれました」と嬉しそうに話し「こんなにたくさんの人がラストライブに集まってくれて嬉しいです。最近歌って踊ることがあまりなかったので、息が上がっちゃって。運動不足を実感しました」と苦笑。そして「みんなのおかげで作らせていただいたアルバムの中から、『ほらやっぱりね』と『白鳥ロック』を歌います」と曲振りをし、2曲を続けて披露。しっとりしたバラード曲と、妖艶で力強いロック調の曲をどちらも難なく歌い上げ、観客を圧倒した。

FUJIKINとギターコラボ
続いてのコーナーは、FUJIKINと針尾のギターコラボ。これまで、FUJIKINとは何度もライブで共演してきた針尾。FUJIKINは「ありちゃんとはいっぱいライブをやらせてもらって、はじめは雰囲気がわからないところもあったのですが、ファンの人も受け入れてくれて安心しました。皆さん、本当にありがとうございます。良い歌が歌えるように、ありちゃんを演奏で支えたいと思います」と意気込みを語った。コラボ1曲目は、この季節にぴったりな『secret base 〜君がくれたもの〜』。
透き通った歌声と、FUJIKINのアコースティックギターの音色が重なりエモーショナルに響く。続いては、FUJIKINのギター演奏のみで歌う「声」。息がぴったり合ったパフォーマンスで、聴く者の心をぐっと掴む。FUJIKINコラボラストは、『マイ フレンド』を熱唱。歌とギターで最高の音色を奏でてくれた2人に、大きな拍手がおくられた。
末笠鈴とデュエット
次のコラボ相手は、声優で歌手の末笠鈴。針尾は「りんちゃんといえばアニソンのイメージが強いと思うので、一緒にアニソンを歌ってもらいたいと思います」と話し、ふたりで『ライオン』を披露。
歌唱力の高い二人のデュエットは、聴いていてとても心地が良い。続いて、末笠のソロでは「普段はバラードを選ぶことが多いのですが、ありちゃんにエールを送りたいと思い、この曲を選ばせていただきました」とコメントし『だってアタシのヒーロー。』を熱唱。ポジティブな応援歌を力強く真っ直ぐに歌い上げ、針尾の門出を祝福した。
そして、あっという間にライブは後半戦へ。「久しぶりのライブハウスなので、いっぱい盛り上がれる曲を集めました。怒涛のラストスパートです!」と宣言し、『コネクトルミナス』を披露。繊細で美しい歌声が会場を包み込む。
その後、ポップでロックな『ふわふわ時間』をキュートに熱唱。そして、針尾が11年間ソロで歌い続けてきた『星間飛行』が流れ出すと、会場のボルテージは最高潮に。その後は息つく暇もなく『放課後オーバーフロウ』と『マイデイズフォーユー』を軽やかに歌い上げた。
針尾ありさからのメッセージ
ラストライブについて、針尾は「福岡からきてくれた奈保ちゃん、バクステの曲を踊ってくれたクルクルちゃん、なゆちゃん、ギターで素敵な演奏を聴かせてくれたFUJIKINさん、宇宙一の歌声を聴かせてくれた鈴ちゃん、そして、今まで針尾ありさを支えてくださった関係者の皆さま。最後に、いつもわたしの味方で居続けてくれた皆さま、本当に本当にありがとうございました。私はバクステとエラバレシを卒業したとき、こういった世界からは離れようと思っていました。でも、それから5年間もソロ活動をさせてもらい、たくさん楽しい時間を過ごさせていただけてとても幸せでした。昨日でちょうど、バクステのファーストシングル「プロデュース」の発売から11年が経ちました。まだまだ人生これからだけど、今まで仲間になってくれたみんなや、これから仲間になってくれるみんなのことをずっと応援していきたいし、後輩にちゃんとバトンを渡したいと思っています。今日、ラストステージという花道を作ってくれた皆さん、本当にありがとうございました」と一生懸命にコメント。
さらに、つんく♂から針尾へのメッセージを読み上げられると、針尾は「なんか怒られるのかなと思って怖かったんですけど(笑)、すごく嬉しいです。バクステからお世話になったのはもちろんなのですが、日本の大スターのつんく♂さんからお手紙をもらえるなんて。この言葉を宝物にしていきたいです」と満面の笑みを見せた。
ライブのラストには、中2映画プロジェクト・アイドル部が再登場。「短い期間で練習して、覚えてくれてありがとう」と2人を労い、最後まで針尾らしい優しさを見せた。「いっぱいコールをしてくれたら嬉しいです!」と曲振りをして、歌ったのは『今夜も…』。三人で歌い踊る姿が最高にキュートで、笑顔を輝かせる彼女たちをずっと見つめていたくなる。最後は、針尾が最初に手にしたソロ曲『妄想乙女』を熱唱。会場がピンク色のサイリウムに包まれ、ファンたちからは声援と熱視線がおくられた。

ダブル・アンコールがおくられる
清々しい表情でステージを去った針尾だが、別れを惜しむファンたちから盛大なアンコールを受け、再びステージに。アンコールの喜びを語りつつ、「会場にいる皆さんと、2人になれる曲を歌います」と語り、『選ばれし二人になりたい』を披露。
可愛さ、清廉さ、そして少しの大人っぽさも兼ね備えている、針尾にぴったりの楽曲を完璧に歌い上げた。「こうしてたくさんの人に見に来てもらえて、懐かしい面々にも会えて、今まで支えてくださった皆さん、本当に本当にありがとうございました! またね!」と、元気いっぱいにステージを後にした。
しかし、これでライブは終わらない。予想していなかった2度目のアンコールがおくられ、大慌てでステージに戻ってきた針尾。「時間の関係上、もう歌がうたえないので……」とした上で、会場に訪れたファンと記念写真の撮影を実施。
最後は「本当にありがとうございました! またね!」と何度も客席に手を振り、ファンからは「ありちゃんありがとう!」と感謝の言葉がステージに投げかけられた。
ライブ画像ギャラリー
テキスト:渡辺ありさ
撮影:ケン木村