『コード・ブルー』『あまちゃん』『鎌倉殿の13人』など、数々の人気作品に出演している女優・山谷花純。
女優になったちょっと変わったきっかけ、これまでに出演した作品などをインタビュー。もちろん、現在放送中の『新空港占拠』についても、撮影裏話も含めて語ってもらった。
テレビ業界が知りたくて女優に
推:読者さんに向けて簡単な自己紹介の方をお願いできますでしょうか?
よろしくお願いします。
推:趣味や特技はありますか?
一人暮らしを始めた今は料理がすごく好きです!
推:魚をさばくのもできますか?
何年か前にお料理教室に通っていたことがあって、そこでさばき方とかは、改めて教えていただいたりとかしました。
推:なぜ女優さんやってみたいと思ったのでしょうか?
小さい頃にテレビを見ていた時、全てが生放送だと思っていたんです。CMに入って明けたら、その前まで写ってた人が全く違う姿になっていることに「なんでだろう?」って子供ながらにすごく不思議に思っていました。
その謎を解明するには「自分もテレビに入っちゃえば、テレビの仕組みがわかるな」と思って、小学校の時に事務所の全国オーディションに受けさせていただきました。
推:テレビ業界がどんなになってるのか?裏側を知りたくて入ったんですね。
何で衣装が違うか、ちゃんと収録というものがあるっていうことは、仕事を始めてからすぐにわかりました(笑)
思い出深い3作品
推:女優という道に進んでみて、良かった思ったことはありますか?
自分が表彰されたわけではなく、作品が表彰されたのですが、自分のことのように嬉しかったです。
たくさんの人々に物語が届くっていうことの達成感、人と何かを作ってそれが評価されることの喜びをその時に感じました。
女優の仕事をもっと頑張っていきたいなと思いましたし、続けていきたいなって思いました。
推:女優やってみて、特に印象深い役はありましたか?
ひとつ目が劇場版『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-』の富澤未知という役です。
20歳のときに「今後仕事を続けていくかどうか?」一度立ち止まった時期がありました。オーディションに落ちてその作品が決まらなかったら、また別の仕事に就こうって思っていたなかで勝ち取った役でもあり、髪の毛も全部剃って体当たりで挑んだ役だったので、仕事を続けていく覚悟が決まった作品です。
初心に戻るような、全く経験のない世界に踏み込ませていただいて。その作品もすごく反響があって、たくさんの人に役名で覚えてもらえて呼んでいただけたのが、すごく嬉しかったです。
それも一歩一歩段階を踏んで、10代の頃に憧れていたものが叶っていく、30代に向けてひとつひとつ実現していくのがその都度のターニングポイントだなと思っています。
その3作品と3役はすごく思い出深いですね。
『湘南純愛組!』でエクソシスト
推:実は漫画の『湘南純愛組!』がずっと好きで、アマプラで観た「あの渚役の人だ!」って思って!
二重人格の役で、すごく難しかったんですけど、憧れだった特攻服を着れてすごく嬉しくて未だにあの写真はハロウィンの時期になったらSNSであげています♪
作中にカワサキ・エリミネーター750に乗って本当に買うか迷って「免許取りたいな」って事務所の人に相談したんです。けど、「山谷はバイクは乗っちゃダメ」とストップかかっちゃいました(笑)
推:漫画の原作じゃないすか。ドラマ化すると色々と変わっちゃっう事も多い中で、ものすごい愛を感じる作品でした。
推:弾間龍二が、先生とホテルに行くシーンのホテルの名前がちゃんと原作と同じになってるとかは本当にすごいと思いました。
みんなカメラ回ってない時も不良が抜けてない感じとかが可愛かったですね。オラオラしてる感じでした(笑)
推:夜叉の時と渚の時と二重人格で顔が変わるのが、やっぱり女優さんてすごいと改めて思いました。
ラストの方で昏睡状態に陥って痙攣状態になるお芝居があるんですが、内田監督に「エクソシストをやって」って言われて。 私ちょうど前の日お母さんとエクソシストを見ていて、「危ない! エクソシストわかんなかったよ!良かったー!」って思いながら撮影してました(笑)
推:すごいタイミングですね。
推:いろいろと巡り合って活動されている中、実は今だから言えるエピソードとかってありますか?
ただすごく緊張しいな性格なので、舞台の時に毎回はけるたびにお腹が痛くなっちゃうんですよ。
本番中、よく舞台から袖にはけた瞬間、廊下を走ってトイレに駆け込んで、また走って袖まで帰ってくるっていうのを毎回やってます。
みんな私のためにトイレの通路を開けといてくれたりしていました(笑)
推:ドラマとかテレビだと、カットでもう1回やり直せるけど、舞台は出たらやり直せないプレッシャーなんですかね?
衣装とかで隠れて見えないんですけど、緊張しいな性格なんだろうなって思ってます。
『新空港占拠』に鶏(重原瀬奈)役で出演
推:今度出演される『新空港占拠』は、結構緊張しましたか?
推:その『新空港占拠』は、どういう作品なんですか?
前作の武装集団は鬼で今回は干支をモチーフにした獣の武装集団です。私は鶏の干支のお面を付けて演じています。
視聴者の方々は楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
推:鶏(重原瀬奈)役ということなんですけど、どのような人物なんですか。
復讐する覚悟を決めてきてはいるけど、やっぱり傷つけたら傷つけた分だけ、自分も傷ついてしまう女性なんだろうなって演じていて思いました。
悪いことや傷つけられたことに復讐で返すっていうのは、あんまり報われないものもあるんだなっていうのを演じていて気がついて。
ちゃんと人の心がわかる子なので、それが視聴者の方に伝わるといいなと思いながら演じていました。
ただ、私達も知らないことが多いんですよ。
推:知らないのは、物語の結末ですか?
推:先が分からないと難しそうですね。より土台をちゃんと作っとかなきゃいけないってことですね。
カメラが回ってない場所から作品が始まっている
推:今回の役作りで何か気をつけているポイントはそこですかね?
常に銃を肩から提げてお芝居をしているんですけど、これが本当に重くて。初めて銃講習があった時は重くて持てなくて、本当に筋肉痛になるぐらいでした。
けど、今は扱いにだいぶ慣れてきました。
最終日に向けて私の個人的な目標ですけど、軽々しく銃を小道具として扱えるようになるのをひとつの目標に掲げています。
推:そんな重い銃をどうやって持ってるか?とか放送が気になりますね。
私はまだ女性が持つ銃なので軽い方なんですけど、男性が持っている銃は特に重くて、毎回左手がプルプルしながらやってますね(笑)
実際に弾を撃ったりとかしないんですけど、空気を入れて音だけの時とかも、普段やり慣れてないことをどれだけ落とし込めるか意識しながらやってます。
推:今公式ホームページ上とかでも役が伏せられてるじゃないすか。誰が何役をやるとかは知ってるんですか?
前作と同様に、モニター越しに配信で会話するシーンは度々あって、そこの配信同士で会話している方たちは多分、お互いのことを誰が演じているのかっていうのは知ってはいると思うんです。
けど、その他の方々は台本にも名前が載ってないんですよ。
本当に物語の行き先も見えないし、誰が誰かもわからないところも結構あるから面白いですね。
全て知っているのは監督さんと脚本家さんくらいだと思います。
おばあちゃんには内緒
推:ちなみに鶏役っていうのは、近しい方々はご存知だったりしますか。
「次いつ出るの?」って年末の電話のときに聞かれたんですけど、「ピンク・レディーぐらいかな」(NHK BS「アイドル誕生 輝け昭和歌謡」)っていう話をしています。
おばあちゃんは結構SNSを見てくれているので、今回は多分解禁されたらWebのニュースとかで拾って見ると思うので、そこからドラマを見てくれるんじゃないのかなって思います。
推:放送日くらいに電話するのは?
電波より早く回っていっちゃうからおばあちゃんの発信力はすごいですよ本当に。
推:自慢のお孫さんなのでしょうね。
事務所に入って研究生のときにマネージャーさんがつく前に現場のロケバスからドアtoドアで、おばあちゃんが全部行ってくれていて。衣装がまだ用意されない時とかおばあちゃんが全部買ってくれたりとかしていたんで、半分ちょっとその気持ちがあるから、応援団長として気持ちが熱いのかもしれないですね!
「みんな見てっから!」って言われて。
撮影現場の雰囲気
推:撮影現場はどの様な雰囲気ですか?櫻井翔さんとは撮影で絡んだりされていますか?
使ってるスタジオはほぼ一緒なんですけど、パートが違う方とは会わないように撮影しています。
スタジオの前にみんなが団らんする休憩スペースみたいな場所に、コーヒー豆が瓶に入っていて、好きな豆を選んでスタッフさんが挽いてくださるコーヒーを飲めるっていうのがコーヒー好きにはすごく嬉しいなって思います。
推:では、本当に会わないまま、知らないままで、オンエアもあるんですね。
控え室からなので、完全に不審者ですよね(笑)
推:個人的には、ぐんぴぃさんも気になっています。
私も台本読みながらクスッと笑っちゃうことが多いです。
推:面白いポイントもあって、シリアスポイントもあってって感じなんですね。
推:グループごとに撮影されてるとの事ですが、前室のところでいろんなグループの方が交わって話したりとかっていうのもあんまりないのですか?
物語と同じように、物語の中で会わない人には会わないみたいな感じなんですね。
だから、いつか会えたらいいなとは思っています。
捕まる時ぐらいしか会えないのかなって思ったりとか、新しい台本が来るたびに今回は誰と会えるかなっていうのも楽しみなんです。
推:演じてる側にもストーリーと連動してるからそれぞれの人間性が作りやすいのかもしれないですよね。
私の役はネックレスを付けているのですが、「このネックレスにはそういう意味が込められてたんだ」っていうのが、お面が外れる瞬間にアイテムの大切な意味も一緒に暴かれるので、細かいとこまで見てもらえたら嬉しいですね!
推:最後まで観て、もう1回最初から見直した時に、そこに注目してみると2回楽しめるんですね。
推:結末も含めて楽しみです!
推:最後に、これから個人的に叶えたい夢を教えてください
去年ぐらいからなんですけど、今27歳で30代を迎えるために、体もそうですし心もちゃんと誠実に綺麗でありたいなっていうふうに生きていきたいなって思いますし、肩の力を抜いて余裕を持って日々生活するっていうのを、今年は目標にしたいなって思っています。
皆様が生活している日常により近い場所にい続けられるような、ふとした瞬間に目が入るように維持できていけたらいいなとは思ってます。
山谷花純 プロフィール
1996年12月26日生まれ。宮城県仙台市出身 みやぎ絆大使
2007年、エイベックス主催のオーディションに合格し、翌年ドラマ『CHANGE』でデビュー。ドラマ『あまちゃん』『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『トットちゃん!』、映画『シンデレラゲーム』、舞台『ヘンリー八世』『東京喰種トーキョーグール』などに出演。
2018年、映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』では末期がん患者役に丸刈りで臨み注目される。
その後、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』(蜷川実花/2019)や、ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK大河/2022)、『親友は悪女』(主演/BSTX/2023)、『らんまん』(NHK朝ドラ/2023)、『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』(NHKBS/2024)
などに出演、今後の活躍が期待される若手女優。
主演映画『フェイクプラスティックプラネット』がマドリード国際映画祭2019最優秀外国語映画主演女優賞を受賞。
<山谷花純 オフィシャルSNS情報>
・X:https://twitter.com/minmin12344
・Instagram:https://www.instagram.com/kasuminwoooow/
▼衣装
ドレス: Seivson
ピアス、チョーカリング: PLUIE
ブーツ: ブーツ: Re:EDIT
▼スタッフ
スタイリスト 髙橋美咲 (Sadalsuud)
ヘアメイク 石川ユウキ