C;ON(シーオン)のメジャーデビューアニバーサリーワンマンライブが、2024年5月6日(月・祝)LINE CUBE SHIBUYAにて行われた。
開催1ヶ月前には、チケットが完売。事前物販では長蛇の列ができ、一部アイテムも早々に完売。とファンの熱量も高かったワンマンライブを撮り下ろし写真と共にお届けする。
テキスト:渡辺ありさ
撮影:ケン木村
C;ON MAJOR DEBUT ANNIVERSARY ONEMAN LIVE
結成7周年にして、メジャーレーベル・エイベックスより悲願のメジャーデビューが決定したシーオン。器楽奏者とボーカルが融合した唯一無二のスタイルで、音楽業界から高い評価を得る実力派ガールズユニットだ。
昨年、ユニット史上最大のキャパシティを誇るZepp Shinjukuでのワンマンライブを成功させた彼女たちだが、今回はそこからさらにスケールアップ。2000人を収容できるライブホール・LINE CUBE SHIBUYAで、なんと、チケット代無料という驚きのメジャーデビューワンマンを実施となった。
チケットは開催1ヶ月前にソールドアウトし、GW最終日の渋谷には多くの観客が足を運んだ。
『Last Order』からスタート
スクリーンに5人のシルエットが映し出され、文字通りライブが幕を開ける。黒を基調としたシックな衣装に身を包んだメンバーたちが、記念すべきワンマンの最初に披露するのは『Last Order』。ボーカルと楽器隊、それぞれの魅力が輝く楽曲で会場を大いに盛り上げる。そして、爽やかで疾走感のある『鼓動PARADE』へと続く。
3曲目は、サザンオールスターズの名曲『エロティカ・セブン』をカバー。楽曲の妖艶な世界観を、ボーカル2人の圧倒的な歌唱力でシーオン色に染め上げた。オープニングからフルスロットルでライブは進み、『MagiC!on…』ではバンドメンバーとともに重厚感ある音色を響かせる。
5曲目は、ライブアレンジが加わった『INVADER』を熱唱。グリーンのレーザービームで客席を照らす演出も相まって、ファンを圧倒した。その勢いのまま、ボーカル2人の色気溢れるダンスにも目を奪われる『Addiction』。ピアノ担当・杏実の速弾きを生で聴けるのが嬉しい。
メンバーから想いが語られる
MCでは、メンバーそれぞれがライブへの意気込みを発表する。
ユーフォニアム、バストランペット、バルブトロンボーンとさまざまな楽器を操る聖奈は「今日は私たちの音楽と、全力のパフォーマンスで皆さんにたっぷり魅力をお届けしたいと思います。また、関わってくれる皆さんに、これからもシーオンについていきたいと思ってもらえるような日にしたいです」
聖奈
ボーカルでありユニット最年少18歳の絹井愛佳は「私たちシーオンは、先月に結成7周年を迎えました。私が初めてシーオンに出会ったのは、まだ9歳の頃でした。何もわからなくて、ただ歌が好きだった私が、こんな素敵で最高で、ここまで生きがいになると思わなかった、このシーオンで7周年を迎えられていること、世界一私たちが幸せな人間だと思うくらい、幸せです。私たち5人で叶えたい夢が、着々と膨らんでいて、ひとつずつ、5人で手を握りながら叶えられている気がします。私は皆さんに、歌で、音楽で返すことしかできません。だから今日は、とびっきりの、最高のライブをお届けします。私も本気でかかっていくので、皆さんも本気でかかってきてください!」
絹井愛佳
同じくボーカルの栞音は「GWの最終日、すごく色んなイベントや旅行などあったかもしれない中で、シーオンを選んでくれてありがとうございます。絶対に後悔させないライブにします。一人一人、3階にいるみんなまで届けたいと思っています。全身全霊で歌いたいと思いますのでよろしくお願いいたします」
栞音
サックスの石橋佳子は「たくさんの人にお祝いしていただいて嬉しいです。みんなからの『おめぽんぴー』をいただいてもよろしいでしょうか?(笑)ありぽんぴー、うれぽんぴーです!」
石橋佳子
最後にピアノの杏実は「今日はGWの最終日を締めくくるような最高のライブをしたいと思います。7年間、楽しいことだけじゃなくて、辛いこともあったりして、そんな中でずっとシーオンを信じてここまでついてきてくれてありがとうございます。これからも明るい未来を見せて行けたらと思います」
杏実
と、思いの丈を語った。
さらに、今回の無料ライブについては「ひとりでも多くの人に今のシーオンを見てほしいという気持ちで。「無料だから行ってみるか」という軽い気持ちでも、シーオンのパフォーマンスを見たら絶対に好きになってもらえるという自信があるから、無料ライブをさせていただくことになりました。最後にはお金を払ってでも見たいライブだったなと思わせられるように全身全霊で歌います。だから、皆さんも全力でかかってこいや(笑)」と栞音がコメント。
無料ライブにかける思いの強さを覗かせた。
新衣装で登場
7曲目は、5人の音だけで聴かせる『道』。ボーカル2人の美しい歌声、ユーフォニアムとサックスの深い音色、優しいピアノの旋律が重なり合い、心揺さぶるハーモニーを生み出していた。 ポジティブな歌詞が背中を押してくれる『イキルイミ』を高らかに歌い上げ、ここでメンバーは一旦ステージから退場。
バックバンドのセッションタイムを挟み、杏実、佳子、聖奈が深紅のドレスを身にまとって再び登場する。
華麗なジャズセッションを披露し、ファンを魅了した。続いて、栞音と愛佳も新衣装でステージに現れ、ラストインディーズシングル曲の『月逢夜』を熱唱。
10曲目はシーオンの人気曲『等身大ガール』から、MAXのカバー曲『Ride on time』とファンを惹きつける。
その勢いのままアップテンポで情熱的な『疑事無功』を披露し、間奏ではバンドメンバー紹介を行い、各々が自身の音色を美しく、力強く響かせた。
艶やかな楽曲からポップやロックテイストと幅広いレパートリー
そして、ライブはあっという間にラストスパートへ突入。13曲目は「皆さん色んな恋をしてきたんじゃないかなと思います。そんな恋を思い出しながら聞いて下さい」という栞音の言葉とともに、『あなたのせい』を披露。その後、『もしも』、『曖昧≠Libido』と、大人の切ない恋を歌った艶やかな楽曲が続く。
16曲目からはイメージをガラリと変え、SMAPのカバー曲『SHAKE』を元気いっぱいに熱唱。ステージから客席に降り、ファンと触れ合う場面も。往年の名曲で会場全体を巻き込み、この日一番の盛り上がりを見せた。
続く17曲目はロックテイストな『S;ckkkkk』。激しいストロボの演出で曲の世界観をより一層引き立てる。
サックス・佳子のソロパートからスタートする『Now or Never』では、ピアノの杏実もショルダーキーボードに持ち替え、5人で美しい群舞を見せた。
19曲目はライブの人気曲『Noisy』。圧倒的なパワーと熱量で会場を沸かしながらも、繊細かつ緻密な音の積み重ねで魅せる一曲である。シーオンの魅力が詰まったセットリストに、ファンからは大きな歓声が上がっていた。
栞音からのメッセージ
ラストの曲の前に、栞音からメッセージが。
「私たち、10日前の4月26日に結成7周年を迎えました。この7年間でやっと掴んだメジャーデビューです。この7年間はすごく楽しかったしキラキラしてた。けど、その裏には葛藤だったり、苦しいこともたくさんありました。このまま地下アイドルで歳を取って終わってしまうかもしれないと、みんなで毎日のように口にしていたときもありました。
当時は、たったひとりのがむしゃらに頑張ってくれるマネージャーと、わたしたち5人の、6人で頑張ってました。もっと先に行くにはどうしたらいいんだろうって、わからなくて、すごく悩んでいた時期もありました。
前向きな愛佳とか聖奈が、武道館に行くことを目標にしたいって言ってくれたんだけど、私はまだ自信がなくて。対バンでも2~30人しか集められない私たちが武道館なんておこがましいし、鼻で笑われるかもしれないって、当時はすごく思って。
でも、そんなときに、近くでファンの方が『シーオンならいけるよ』ってすごくたくさん声をかけてくれて。いつもライブに足を運んでくれて、そんなみんなのおかげですごく支えられたし、力を貰えました。
スタッフの皆さんや、バンドメンバーのみんなが、わたしたちの力以上にすごく輝かせてくれるしカッコよくしてくれる。だから私たちはすごく自信を持てたし、いま関わってくださる事務所の方、チームの方々は寝る間も惜しんで私たちのために動いてくれてて。
そして、私はやっぱりこの4人のメンバーをすごく尊敬していて、私自身ももっと頑張らなきゃって、成長させてもらえて。だからこうやって、やっと自信を持てるようになってきたんです。そうしてやっとつかんだこのメジャーデビューだから、やっぱりすごく嬉しいです。
もちろんここがゴールじゃないし、これからのほうがすごく厳しい目で見られることが多くなると思うんだけど、私たちなら絶対これからも乗り越えられるって、自信があります。だからこれからも近くで、私たちのそばで、応援してくれると嬉しいです」
と涙ながらに語り、深々と頭を下げた。
フルオーケストラで演奏
ライブ本編ラストは、本日初披露の新曲『Canvas』。ここで、背後の幕が開くとフルオーケストラが現れるという驚きの演出が。宇都宮短期大学附属高校吹奏楽部と横浜USBのスペシャル吹奏楽団を背に、堂々としたパフォーマンスを見せるシーオン。
楽曲の終盤では客席に花吹雪が舞い、圧巻の景色が広がっていた。
ライブ本編を終え、メンバーたちがステージを後にするも、ファンからの熱烈なアンコールを受けてもう一度ステージに登場する5人。
栞音の「重大告知があります!」という宣言とともに大小ふたつのくす玉が現れ、どよめく会場。
小さなくす玉から引くと、「祝・今秋メジャーリリース大決定!」の垂れ幕が。そして、大きなくす玉を引くと「パシフィコ横浜国立大ホール 2025年2月15日開催決定」の垂れ幕が降り、会場は大きな拍手に包まれた。
最後に、本日最初に歌った『Last Order』を、フルオーケストラとともに再び披露。アイドルライブの枠組みを大きく飛び越えた、華麗な演出と最高のパフォーマンスで会場をひとつにした。
実力、ルックス、個性を兼ね備え、他の追随を許さない圧倒的な存在感を放つシーオン。彼女たちは今年、どれだけ素晴らしい景色を見せてくれるのか。一度シーオンのライブを体感すれば虜になること間違いなしなので、少しでも気になる人は今すぐにSNSをチェックし、ぜひとも現場へ足を運んでほしい。
セットリスト
- Last Order
- 鼓動PARADE
- エロティカ・セブン (サザンオールスターズ カバー)
- MagiC!on…
- INVADER
- Addiction
- 道
- イキルイミ
- 月逢夜
- 等身大ガール
- Ride on time (MAX カバー)
- 疑事無功
- あなたのせい
- もしも
- 曖昧≠Libido
- SHAKE (SMAP カバー)
- S;ckkkkk
- Now or Never
- Noisy
- Canvas
- Last Order