2022年8月20日Zepp Hanedaでのワンマンライブで語られた「次は武道館に」という目標から始まった企画「Road to Budokan 」。
第一章となる「Road to Budokan 第一章」が、2023年3月18日(土)浅草公会堂にて開催された。
その模様を、推しごとでしか見れない写真と共にお届けする。
また、メンバーへの独自インタビューも掲載!
Road to Budokan 第一章
昨年8月、ZeppHanedaでのワンマンライブを成功させたきみとバンド。そのステージでリーダーの大野真依が語った「次は武道館に立ちたい」という想いを実現させるべく、ライブ企画「Road to Budokan」がスタートした。初回となる今回は、きみとバンドにとって初めてのホール公演を実施。1000人を超えるキャパでライブを行うのは、Zepp以来二度目である。この日はあいにくの雨にも関わらず、会場には多くのファンが詰めかけた。
意表をつく登場
ステージ下から、ポージングを決めた状態で登場した3人。
和をモチーフにした可愛らしい新衣装を身にまとった彼女たちが、1曲目に披露したのは『きみとバンド』。森田理紗子の伸びやかで明るい歌声、清原梨央のキュートなライブパフォーマンス、大野の力強い演奏が輝く。
森田理紗子「希望になれたら嬉しいです」
2曲目はポジティブな歌詞が印象的な『スタートライン』、3曲目には疾走感あふれる演奏とエモーショナルなメロディが胸を打つ『はなればなれ』を続けて歌い上げ、1回目のMCに。
昨年きみとバンドに正式加入した森田は「私は音楽に出会うまでは特別得意なことも好きなこともなくて。だから私には、音楽しかないと思ってやってきました。その強い想いがあったからここまでやってこられたけど、逆に、想いが強すぎるがゆえに見えているものが少なかったというのを、きみとバンドに出会って気付きました。メンバーと創り上げていくこととか、ファンの方の支えだったりとか。見ての通り、私はカチコチに真面目すぎるところがあるんですけど、音楽ってこんなに楽しくて、自由で、正解なんてないんだなっていうのを教わりました。私みたいに、音楽が好きすぎて、頑張りすぎるあまり視野が狭くなってしまっている人もいるかもしれません。でも、私がきみとバンドのボーカルとして色んなことに挑戦して『こんな形もあるんだよ』というのを伝えていきたいし、いつか必ず日本武道館に立って、そういう人達の希望になれたら嬉しいです」と、一つひとつ噛み締めるように、丁寧に語った。
そして、森田の「きみとバンドの原点になった曲、これからも大切に歌い続けたいです」という言葉から始まった『amulet』。切ない歌声と優しい演奏が、森田の言葉と相まって心にじんわりと染み渡る。
清原梨央「きみとバンドは、私がやっと見つけた居場所です」
その後、5曲目『rosemary』、6曲目『きみとふたり』とセンチメンタルな楽曲が続き、2回目のMCへ。
いつも明るく元気な清原だが、「私はバンドを始めて、今年で3年目になるんですけど、いまだにバンドマンとしての存在意義に悩むことがあります。ドラムの真依ちゃんはSNSでも活躍していて、理紗ちゃんは歌でバンドを支えてくれて、私は何ができるのかなって考えて。ギターを弾きながらぴょんぴょんする姿とか、笑顔がいいね、とみんなは言ってくれるけれど、本当に私はきみとバンドの力になれているのかなって悩んでしまうときもあります。でもそんな私にメンバーは『梨央ちゃんだからいいんだよ』『梨央ちゃんのパフォーマンスが好きだよ』と言ってくれました。まだまだ誇れるものは多くないんですけど、誰かに必要とされる限り、やっぱりステージに立ち続けたいなと思いました。きみとバンドは、私がやっと見つけた居場所です。ここで輝いて、誰かの光になれるように、私らしく歌い続けていきます」と、ありのままの想いを吐露した。
抱えていたジレンマをぶち破るように、『オレンジ色の世界』を歌った清原。激しい演奏とカッコいい演出に、会場全体が沸き上がる。
8曲目は、アップテンポなダンスミュージック『スローモーション』を披露。続く9曲目では、ポップでキュートな『レリビ☆』を元気良く歌い上げ、どんどんテンションを上げていくメンバー達。
3回目のMCでは、新体制になって初のアルバム発売に触れ、ドラム担当の大野が「実は今回ボーナストラックとして、amuletをソロで歌わせていただきました」と、まさかのソロ歌唱曲について明かし、会場をどよめかせた。そのままの流れで、アルバム収録曲であり、本日初披露となる新曲『さよならリフレイン』を熱唱。森田の透明感あふれる歌声と、優しいキーボードの音色が光る一曲だ。
大野真依「絶対にこのメンバーとファンのみんなと、チームで日本武道館に立ちたい」
ライブはあっという間に後半戦へ。11曲目『シャボン玉』、12曲目『歌にのせて』をどちらも切なく歌い上げ、ファンの心をぐっと掴む。続く14曲目は、ライブの人気曲『きみが好き』を披露。手拍子を煽り、楽しそうに歌う森田と清原。そんな二人を見つめながら、リーダーの大野も笑顔を滲ませていた。15曲目『蝉しぐれ』をしっとり歌い上げると、最後のMCへ。
ラストのMCを任された大野は、「当たり前のように日本武道館という言葉を言えることや、ファンの皆さんのツイートで日本武道館という言葉を目にすると、私は本当に日本武道館を目指せるところにいるんだなと実感します。私は中学生の頃から芸能界を目指し始めて、でも、何がしたいとか、これで売れたいという気持ちはなくて。メンバーやファンの方々からは、真依ちゃんは何でも受け入れて、柔軟に対応してるねと言ってもらえるのですが、私はそれが、自分が空っぽなようで嫌だなと思うこともありました。でも、そんな空っぽだった私にとって、みんなを日本武道館に連れて行くという明確な目標が、私のすべての原動力になっています。だから私は、みんなとの約束を守るためだったらなんでもするし、絶対にこのメンバーとファンのみんなと、チームで日本武道館に立ちたいと思っています」と、日本武道館への強い意気込みを語った。
大野の熱い想いと「Road to Budokan」の文字を背に、『あの場所へ』を歌った森田と清原。拳を突き上げ、力強いパフォーマンスでファンを圧倒する。続く16曲目はポップなラブソング『恋のモンスター』を元気いっぱいに歌い、17曲目はライブの定番曲『∞YAKEN』の浅草公会堂バージョンを楽しげに披露。たたみかけるような人気曲の連続に、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。
ラストの曲は、これからの季節にぴったりな『春風問答』を爽やかに熱唱。森田と清原の、息の合ったハモリに聴き惚れる。桜吹雪が舞うエモーショナルな演出もあり、心揺さぶられる感動的なステージとなった。
アンコール
会場の盛大なクラップに応え、アンコールを実施。
きみとバンドではお馴染みのサポートベーシスト・早希ちゃんの紹介と、一年ぶりとなる全国ツアーを告知し、アンコール1曲目に披露したのは『東温ラブストーリー』。HIPHOPのスタイルを織り交ぜた軽快な楽曲で、清原が紡ぐリリックに自然と身体が揺れる。
アンコールラストは『rebirth』。温かいメロディと、背中を押してくれるような歌詞、真っ直ぐな歌声が浅草公会堂の広い客席を包み込んだ。
最後は会場で写真撮影を行い、「本日は本当にありがとうございました!」と生の声でファンに感謝を述べた3人。和やかな雰囲気の中、ワンマンライブは幕を閉じた。
テキスト:渡辺ありさ
撮影:ケン木村
セットリスト
1 きみとバンド
2 スタートライン
3 はなればなれ
――MC――
4 amulet
5 rosemary
6 きみとふたり
――MC――
7 オレンジ⾊の世界
8 スローモーション
9 レリビ☆
――MC――
10 さよならリフレイン
――MC(short)――
11 シャボン⽟
12 歌にのせて
13 きみが好き
14 蟬しぐれ
――MC――
15 あの場所へ
16 恋のモンスター
17 ∞YAKEN
18 春⾵問答
アンコール
――MC――
19 東温ラブストーリー
20 rebirth
インタビュー
推:浅草公会堂ライブを終えてみての感想は?
大野真依:今回はライブが無事に終わったのにどこかまだソワソワしている自分がいて。ここから日本武道館に向けてのスタートをいよいよ切った。終わりからの始まりという今までに無い不思議な感覚でした。ファンの方からも浅草公会堂ライブ後、日本武道館を一緒に目指そうという言葉を以前にも増して言っていただき良いライブが出来たんだなと安心したと同時にここから頑張るぞ!という気合いがさらに入りました。
清原梨央:今まで一番緊張感のあるライブでした。今回のライブがRoad to Budokan 第一章ということで、武道館への一歩が今始まったんだ…!と改めて実感して、ステージに立った瞬間に心臓がドキドキしました。
ギターを弾く指も震えていたりして、それだけ武道館にかける想いが自分の中で強いんだなと再確認できたライブでもありました。
森田理紗子:初めてのホール公演。
最高に楽しかったし、このライブをもってついに武道館への道がスタートしたんだなと、ぐっと気が引き締まりました。
ライブ終了後にファンの方からはたくさんポジティブなお声もいただけて、バンドとしてとても自信がついたライブでもありました。
ただ、力を入れていた分、その力が空回ってしまった部分もあったなと思います。これからも色んな舞台で勝負していく中で、気持ちで負けない!というのが次回以降の課題かなと思います。
推:今回のライブで、注目だったポイントはどの点でしたか?
大野真依:今回は、特注で初めて衣装を作っていただいたんです。
浅草っていうことで、衣装の中に和柄をそれぞれ入れてもらってます。
オーダーメイドなので、個人個人の要望の細かいところまで聞いていただいて、すごく力を入れて、今回衣装を作りました。
推:襟がお揃いになってますね。
メンバー全員:そうなんです! デザインが同じで色違いなんです。
清原梨央:そうですね。もうしょっぱなから多分みんな、「せり上がり」で登場だったので、ビックリされたと思うんですけど。
決まった時から、本当にみんなビックリするだろうなってワクワクしてて、私たちも上がって客席と景色が見えた瞬間に「あぁ、もう第一章が始まるんだ!」っていう気持ちになりました。本当こういう演出でさせていただけて、すごくありがたかったなと思いました。
あと特別な演出が最後の『春⾵問答』っていう曲で。 桜の花びらが降ってくるっていうのもあって、こういうファンの方を驚かせるような演出も今回は割と入っていたので、第一章にふさわしいすごい華やかなステージになったなって思います。
森田理紗子:浅草公会堂の本日3月18日に、ニューアルバムをリリースしました。
その中から、浅草公会堂で初披露となる新曲『さよならリフレイン』を演奏しました。これからのきみとバンドの新しい姿を表した曲になってるというのと、編成も私がキーボードをやらせてもらったり初めての試みです。今までガラッと一新した曲になってるので、すごくあの聴き応えがあってくれたら嬉しいなあと思います。
推:キーボードは昔からできたんですか?
森田理紗子:元々はピアノで弾き語りとかもやったことはあったので、久しぶりの披露という形になりました。
推:最後に「Road to Budokan」なので武道館への意気込みをお願いします。
大野真依:まず日本武道館っていうのが、去年の8月20日に羽田でやった時に、みんなの共通認識であったんですけど、私がちょっと言ってしまったというか、勢いで(笑)
そこから、本格的に動き出した感じがあって…… 正直、そのまだ立ってる自分の姿っていうのは想像できないし、どういう感じで行くのかな?って見えなかったんです。
けど、今回「第一章」というのを用意していただいて、一歩近づけたかなっていう感じがします。何章できるかちょっと分からないですけれども、ひとつひとつを大事にしながら進んでいきたいなと思います!
清原梨央:私も「日本武道館立ちたいです」ってZeepで言った時には、正直なそのときの勢いで「いつか行けるんじゃない?」ってこうなんかなんか過信していたんですけど(笑)
それから本格的にその武道館に向けて、第一章の準備とかして行くと、まだやっぱ不足している点とかが見つかったりとか、結構まだ遠くにあるんだなあっていう実感もししました。
けど、私たちもすごく頑固で根性があるので、ガールズバンド史上最速の記録を更新したいです!
大野真依:インディーズ市場で、ガールズバンドがいないので、二冠を狙おうと思ってます!
清原梨央:最速&初で行きたいと思っているので、これからも諦めずに。「Road to Budokan」第五十何章とかにならいように(笑)、なるべく早くたどり着けるようファンの皆さんと頑張っていきたいと思います。
森田理紗子:やっぱり音楽やっいてると、一度は夢を見るのが武道館だと思うんです。
けれど、「武道館、目指してます」って口に出すこともはばかられるような、大きなステージ。私も心のどこかで目標と思ってたけど、やっぱり目指してるっていうのが言えなくて、まず目指せることに感謝です。Zeppも今回の浅草公会堂もメンバーだけでやってきたことではないので、ファンである君のみんなが、本当に一緒に頑張ってくれて今があります。
武道館までの道のりがどれだけ長くなっちゃうかわからないけど、みんなで、きみとバンドで、目指していけたらなと思います。