【予算2万円でレンタル】本職カメラマンが伝授!撮影会(個撮)でワンランク上の写真を撮る『機材選び&撮影ポイント』

米倉みう

撮影会(個撮)に参加し始めて「もっと良い写真を撮りたい」「ワンランク上の写真を撮りたい」と思った事は無いだろうか?

高い機材を揃えたら良い写真は撮りやすい。だけど、いきなり機材に何十万円も出せない。
ならば、予算2万円でレンタルして実際に使ってみてから、購入を検討してみてはどうだろうか?

カメラマン 矢沢隆則氏に、撮影会の行われる環境に近いスタジオにて「機材レンタル予算2万円」でカメラ選定し、良い写真を撮るポイント、悪い写真になってしまう撮り方を語ってもらった。
また、モデルは米倉みゆが務めてくれてた。

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良い写真を撮る近道

良い写真を撮るためには、高性能なカメラと、大三元に代表されるような精度の高いレンズ、単焦点レンズ、良い照明機材を組み合わせて撮る事だ。
本体とレンズ、照明機材の合計で100万円を超える事もある。
だが、そんな機材を紹介しても現実味が無い。

前提としてに今回の企画は「プロに予算2万円でレンタルできるカメラを選んで撮って欲しい」という制限を設けている。
知人友人から借りるなどはもちろんNG。「多くの人が実践可能である」という事が条件である。

 

2万円でのカメラ選び

今回利用したのは、新宿にある「マップレンタル」である。プロも利用する信頼のおける、カメラ専用のレンタルショップである。
webで会員登録すると郵送対応も可能なので、全国どこの人も利用する事ができる。

ただし、会員登録には身分証の提示や簡単な審査があり、直前に登録してもレンタルができないので、前もって登録しておく事をお勧めする。

【マップレンタル】
https://www.maprental.com/
〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-5-5 新宿農協会館ビル2F

選んだ機材はニコン Z6Ⅱ とLEDライト

今回、矢沢隆則氏へ「2万円でレンタルできる機材の選定」からお願いした。
結果、選んだ機材は下記のセットであった。

Nikon Z6Ⅱ
画像出典:Nikon公式webページより
●Nikon Z6Ⅱ (12,000 円/1日)
www.maprental.com/camera/

画像出典:Nikon公式webページより
●Nikon NIKKOR Z 24-120mm F4 S (3,000 円/1日)
www.maprental.com/lens/

画像出典:Aputure公式webページより
●Aputure Light Storm 60X(バイカラー) (3,000 円/1日)
www.maprental.com/lens/

画像出典:Aputure公式webページより
●Aputure COB用 ライトドーム II (1,200 円/1日)
www.maprental.com/lens/

画像出典:COMET公式webページより
●COMET PS-4B ポータブルスタンド (800 円/1日)
www.maprental.com/lens/

【選択理由】
カメラは、Nikon Z7Ⅱを選択したかったが、予算のためにZ6Ⅱを選択。
レンズは、標準~中望遠まで撮れる24-120mm。
LEDライトは、色温度を選択できるモデルから予算に合わせて。
ソフトボックスは、光が柔らかくなる深いタイプで、瞳に綺麗に光が映る円形タイプ。
ストロボスタンドは、残り予算で選択できる範囲の中からチョイス。

 

Nikon Z6Ⅱ 撮影時の設定

シャッタースピード:1/125
F値:4
ISO:400

上記を基本に、状況に合わせてISO感度を調整しながら撮影した。

【逆光のでの撮影】
窓からの明かりが強く、逆光状態でので撮影をする事になった。
そのため、アクティブDライティング機能を使用する。
1、MENUボタンを押して、撮影メニューの「アクティブD-ライティング」を選択
2、「強め」を選択。

 

LEDライトを使用した撮影テクニック

今回LEDライトを使用する目的は、下記の3点にある。
・影を起こす(影を消す)
・キャッチライトを入る
・LEDライトの色を状況に合わせて変更できる
 今回は、LEDの設定は、光量は最大、色温度5000K で設定。

実際に、LEDライトを使用していない写真と、使用した写真 それぞれを比較して欲しい。

LED無しで撮影した写真
米倉みゆ

LEDを使用して撮影した写真
米倉みゆ

上記写真を拡大してみると、より分かりやすくなる。

LED無しで撮影した写真
LEDを使用して撮影した写真

 

LED無しで撮影した写真
米倉みゆ
LEDを使用して撮影した写真
米倉みゆ

キャッチライトのサイズを調整する

アイキャッチ(瞳の中の光)のサイズは、LEDライトから離れる小さく、近づくと大きく入るので、その状況に合わせえて最も映える距離を探そう。
今回は、約1mほど離れて撮ったものと、50cmほどまで近づいてもらった写真を比較する。

LEDまで約1m
米倉みゆ
LEDまで約50cm
米倉みゆ
モデル・米倉みゆ

プロフィール名前:米倉みゆ(よねくらみゆ)ニックネーム:よねさん職業:米倉みゆ生年月日:6/30身長:169cmSNSアカウントTwitter:0630_miyu_Instagram:yo[…]

米倉みゆ

LEDライトの色を調整する

室内の明かりが電球💡でオレンジになっていた際は、LEDライトの色を合わせた上で”ホワイトバランス”を調整し撮影する事により、肌の色を自然に撮影できる。

LEDの色温度を調整しないで、5000ケルビンで撮影
電球のオレンジの光とLEDの白い光が混じり、綺麗な色でなくなってしまっている。
米倉みゆ

LEDの色温度を調整して撮影
上記の色を調整するために、下記へ設定を変更した。
LEDの設定を3600ケルビンへ変更。合わせて、カメラのホワイトバランスも同じく3600ケルビンに変更した。
この「3600ケルビン」はスタジオの電球色と同じくらいの色味のため、他の現場ではその時に合わせて数値を変える必要がある。

米倉みゆ

上記の設定で撮影をすると、オレンジ色になっていた肌の色が相殺され綺麗に撮影する事ができた。
その副次効果として、屋外の明かりが青くなっている。

この色味の問題は、どちらが正しいという事ではなく、好みや演出で選ぶべきである。

LEDライトをモデルの後ろに設置する

LEDライトをモデルの後ろに設置して、バックライトとして使用する事も可能だ。
モデルの輪郭が強調されて存在感の強い写真となる。

米倉みゆ

今回の写真の場合は、イヤリングにも光が回りモデルを引き立てるワンポイントとなっている。

 

撮影構図やテクニックを4つ紹介

撮影会(ポートレート撮影)で写真を撮る時に気を付けるポイント、綺麗に見せるテクニックを4つ紹介する。

1、三分割法を意識
2、モデルに近づきすぎない
3、広角レンズの特性を利用して足を長く撮る
4、モデルとの距離でボカす

三分割法を意識

三分割法とは、写真を撮った時にバランス良く映える王道の構図のひとつである。
具体的には、下記のように画面を上下左右に三分割にして、その線や交点に被写体を合わせる方法である。
カメラのファインダー内にグリッド表示できる機種も多いので、表示させるとより簡単に撮影できるのでおススメだ。

実際に撮影すると、下記のようになる。

米倉みゆ

モデルに近づきすぎない

先に結論をお伝えする。
基本的には、モデルとはなるべく距離をとって、望遠(70mm以上)で撮る方が良い。

モデルとの距離を広めにとり撮影するメリットは、大きく下記の3点を回避できる点にある。

・近い=広角で撮影する事になるので、近距離で広角で撮影すると顔が伸びてしまう。
・近距離で全身を入れると、スタイルが悪く映ってしまう。
・パーソナルスペースに入ってくると、心理的に圧迫感や恐怖感を与えてしまう。

実際に近距離で撮影した写真と、離れて撮影した写真を比較してみよう。

 

NGその1 近距離で広角を使い撮影

NGパターン
米倉みゆ
OKパターン
米倉みゆ

上記写真を見れば一目瞭然だが、NGパターンは顔が伸びてしまっている。
対してOKパターンは綺麗に撮れている。

今回のNGパターンは、焦点距離24mmで、モデルまで1mも離れていない距離で撮影。
OKパターンは、焦点距離85mmで、2mほど離れて撮影している。

分かりやすいように、それぞれの撮影の様子を下記に見せる。

NGパターン
OKパターン

 

NGその2 近距離で立って全身を撮影

NGパターン
米倉みゆ
OKパターン
米倉みゆ

こちらも見比べていただくと、NGパターンは足が短く、さらに顔が伸びてしまっている。
モデルのスタイルの良さが完全に消えてしまうどころか、スタイルが悪く見えてしまっている。

今回のNGパターンは、焦点距離24mmで、モデルまで1mほどの距離で、立って撮影。
OKパターンは、焦点距離42mmで、モデルから2~3mほど離れて、膝をついて撮影している。

広角の特性を利用して足を長く撮る

上記のように、広角で撮影すると中心から離れるほど、広がってしまう。
しかし、その特定を活かして、足の先を角の近くにし、対角線に足のラインが重なるように撮ることで長く見せる事ができる。

この際に顔を角の方に持ってくると、顔も歪んでしまうので、顔はなるべく中心に近くなるように注意が必要だ。

米倉みゆ

この写真は、分かりやすいようにトリミングしないで掲載しているが、頭の上の空間をトリミングし切ると、より見栄えが良くなる。

こちらも、撮影の様子をお見せする。
ローアングルで撮影しているが、事前に「ローアングルで撮ります」伝えて、承諾をもらう事によりモデルに不快感を与えていない。
モデルとのコミュニケーションをキチンととる事も大切なポイントである。

モデルとの距離でボカす

撮影で「ボケ」を作る方法のメジャーな方法は、f値を小さくする(解放する)方法がメジャーであると思う。
しかし、この方法だとピントが合っている範囲が狭くなてしまい、予期せず被写体の一部がボケてしまう事もある。
また、今回使用している「f値が4から始まるレンズ」では、f値でボカす事に限界がある。

そのため、「モデル(ピントを合わせる箇所)との距離でボカす」方法を説明する。
今回は、現場の照明機器を使用して「前ボケ」を演出して撮ってみる。
前ボケを利用する事で、写真に奥行きを演出する事もできる。

米倉みゆ

上記の写真は、”カメラ―照明機器――モデル”という並びで、照明機器をボカしている。
広角で撮るとボケが弱くなってしまうので、中望遠(今回は77mmで撮影)で撮影すると良い。

撮影時は下記のように撮影した。


撮影時の風景

 

Youtubeにて解説

これまでの内容は、矢沢隆則氏のYouTubeにても公開している。
動画で見たい人はぜひチェックして欲しい。

後半の5分間撮影チャレンジ画像

動画後半でしている、「プロは5分間でどのくらいの数を撮影できるかチャレンジ」にて撮影した一部を紹介する。

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

米倉みゆ

 

矢沢隆則 プロフィール
株式会社ブルーカラー代表取締役。31歳で脱サラし、以降カメラマン、レースクイーン専門家として20年以上活動。
現在は自社でグラビアサイトを運営する傍ら、講談社ベストカーで連載を持ち、モデルプレスで大型ファッションショーの撮影も担当している。
カメラ系のYouTubeでも日々情報を発信している。
Twitter:https://twitter.com/yazawa_takanori
YouTube:https://www.youtube.com/c/yazawatakanori

 

撮影:矢沢隆則

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