つんく♂総指揮の「TOKYO青春映画祭2024」表彰式が開催! グランプリは『クジラの背中で話すコト』

TOKYO青春映画祭2024

2023年7月15日(月・祝)原宿ベルエポックホールにて「TOKYO青春映画祭2024」表彰式イベントが開催された。

つんく♂が総指揮を務め、自身が登壇しグランプリや最優秀女優賞、最優秀音楽賞などを発表。受賞者には直接 表彰状などを渡しコメントを贈るなど、プレミアなイベントとなった表彰式の様子をレポートする。

テキスト:渡辺ありさ
撮影:ケン木村

「TOKYO青春映画祭2024」表彰式が開催

「TOKYO青春映画祭」は、アイドルプロデューサーのつんく♂が自身のサロン内でスタートした企画。「青春」をテーマにしたショートフィルムを広く募集し、本映画祭にて上映と表彰式が行われる。映画祭は今年で4回目の開催となり、昨年に引き続き今年も多くのメディアや業界関係者が会場に訪れた。

TNXエンタメアカデミー生

まずは、映画祭のオープニングアクトとしてTNXエンタメアカデミー生が登場。オリジナルソング『Step up to the new world.』を披露し、大人顔負けの歌とダンスで映画祭のオープニングを華々しく彩った。続いて「TOKYO青春映画祭」が始まるきっかけとなった、“中2”を主人公にした「中2映画」史上初の長編作品「小夜子の音」ダイジェスト版を上映した後、今年のエントリー作品のダイジェストも一気に公開。

TNXエンタメアカデミー生

受賞作品を発表する前に、本プロジェクトの総指揮をとるつんく♂が登壇し、映画祭について「当初はどうしても学祭のノリが歪めなかったけど、四回目にしてこんなにも立派な映画祭になったこと、心より誇りに思います。これもつんく♂エンタメタウンのメンバーの協力あって成立してるし、なにより演者のみんなの成長が嬉しいし。そして、この映画祭に全国よりたくさん応募くださった全ての作品のクオリティが、映画祭のステイタスとなっていて、本当に感動しています。ありがとうございます!」とコメントした。

つんく♂

超ショートショート部門のグランプリは「恋泡水(コイソーダ)」

そして、いよいよ表彰式がスタート。超ショートショート部門のグランプリは「恋泡水(コイソーダ)」。
本作品のメガホンを取ったmina監督は「このような賞をいただけると思っていなかったので、ちょっといま足が震えてるんですけど……。私は子供が生まれてからカメラを握り始め、なんかかっこいいママの姿を見せたいという思いで、いま5年目を迎えました。作品づくりというのは、自分のことも知れたりして、世の中にこういうことを伝えていきたいというのが、作ることで見えてきたので。本当に作品づくりというのは素敵なものだなと感じました。今回のテーマは青春ということで、昔を愛おしく思うような恋心を演者さんの演技を通じて伝えられたのかなと思い、とても感謝でいっぱいです」と語った。

次に、最優秀シナリオ賞は「モテ気」の加瀬百が受賞。諸事情により表彰式に参加できなかった加瀬の代理として、出演者のなゆこてゃんがスピーチを担当した。なゆこてゃんは「この作品は、人は誰でも変われるよ、という思いがすごく込められている作品だと思っています。この作品の中で、主人公の背中を押してくれる“モテ気”っていうキャラクターがいるんですけど、モテ気がメッセージを主人公に伝えるとき、その中で絵文字を使ったりとかして、今時だなって思いました。絵文字でモテ気の気持ちが伝わってきて、これは加瀬百さんにしか書けない作品だと思ったので、私も選ばれてすごく嬉しいです」と、緊張しつつも終始笑顔でコメントした。

加瀬百

最優秀監督賞は「いか、くじら、たこ、わたし」の安田幸平。安田は「自分自身は映画作りがほぼ初めての状態で、手探りの中、スタッフさんや演者さんのお力添えがあってここまで来られました。これを励みに、さらに物づくりができればと思っております」と、関係各所への感謝を述べた。

安田幸平

最優秀助演女優賞は「青の灯」の香村奈保が受賞。TNXエンタメアカデミー生としてステージにも出演した香村。スピーチでは「とても驚いていて、手がめちゃめちゃ震えております。このような賞をいただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます。そして、父上、母上、今夜のディナーはパセラにいたしましょう」と、副賞であるパセラのお食事券をアピールし、会場の笑いを誘った。

最優秀アイドル賞 「モテ気」 松里音杏

最優秀アイドル賞は「モテ気」の松里音杏が獲得。「アイドル賞をいただいたということで、いますごくびっくりしてる気持ちと嬉しい気持ちがあります。アイドルってすごく輝いててみんなの憧れだと思うんですけど、今回の作品が“モテ気”という不思議な現象を通じてどんどん可愛くなっていたり、自信を持っていたりするお話なので、それを伝えられてよかったなと思います」と、アイドル賞に相応しい、キュートな笑顔で語った。

松里音杏

最優秀男優賞は「大食い大好き大石さん」の黒須暁斗が受賞。「まず、素直にこのような賞をもらえたことが嬉しいと思ってます。つんくさんに『味がある』と言っていただいたのですが、作品を通じて関係者の皆さまが伝えたいことを、演技を通して伝えられたのかなと思って、非常に嬉しいです」と元気にコメント。

黒須暁斗

最優秀女優賞は「8251」の伊沢晶が選出され、「この作品に誘っていただいた監督と、いいものにしていただいた関係者のみなさまと一緒に、私も本作に貢献できてよかったです」と興奮冷めやらぬ様子で語った。

最優秀青春賞は「モテ気

また、観客の投票によって選ばれる“最優秀青春賞”は「モテ気」に決定。メガホンをとった雨月マユ監督は「シナリオ賞の加瀬さんやアイドル賞の松里さんが出ててらっしゃったことで、すでに感極まっていたのですが、いま崩壊しました(笑)。初監督作品だったので、まさかこんなふうに賞をいただけるなんて思っていなかったので本当に嬉しいです」と、涙を浮かべながらコメント。

最優秀音楽賞は、「泥棒に選ばれし煩悩の教師」。
坂田航監督は「本当は音楽を担当していただいた方に、この賞をお渡ししたいです。登場人物で寿限無という謎の高校生が登場するんですけども、今回の音楽のコンセプトとして『寿限無寿限無五劫のすりきれ』という、そういうメロディーを入れたいねという話があったりしたので、そういったところを音楽要素に、全編5曲15分間ずっと鳴りっぱなしみたいな、ミュージカルを意識した作品となっております。このような結果につながって本当に嬉しく思っております」とコメントし、つんく♂からは「すごい優れたアート作品だよね」と評された。

審査員特別賞は「フューチャー!フューチャー!」。本作について、つんく♂は「すごいスピード感あふれる作品でかっこよかったですね」とコメント。
眞鍋海里監督は「この作品はですね、SF 大好きな女の子が未来を変えるために突っ走っていくという物語です。青春というのは、まあ本当に大小あると思っていて、キラキラしてない青春もあったりするんですけども。映画というのは、僕たち制作側からすると、僕たちのようなおじさんでももう一度青春を体験できるような、そういうパワーがあるのかなと思ってます」と話した。

準グランプリは「ふたりの吉田」が受賞し、つんく♂は「男性二名が主演の作品ですが、色っぽい作品でした」とコメントした。
岡田奈津美監督は「今回の作品は、男性ふたりの、友達とか恋人とか家族とかそういう規定の言葉にとらわれない関係を描きたいなと思って。そういうふたりの関係性を、つんく♂さんから『色っぽい』と思っていただけたならすごく嬉しいです。わたしは医学部の6年生で明日もテストがあるんですけど、こういうふうにバタバタするのも青春かなと思っております。これからも作品は撮り続けたいです」と自身の胸の内を明かし、これについてつんく♂からも「テストがんばって!」とエールがおくられた。

グランプリは「クジラの背中で話すコト」

そして、栄えあるグランプリに選ばれたのは「クジラの背中で話すコト」。門田樹監督と、主演の倉本琉平が登壇し、それぞれが思いの丈を語った。
門田は「30代最後の夏に、一番青春っぽい映画をつくりました。主演のふたりが最高の芝居をしてくれて、とても可愛い映画になりました」、倉田は「俳優の仕事をしていて、いいなと思うのが、その度に新しい知識だったり学びがあることで、今回だとクジラについて少し調べるきっかけになりました。これからもいろんな役や作品に出会って、人としても成長していけるように頑張りたいです」とそれぞれコメント。

本作について、つんく♂は「今回出典いただいた短編映画の中でも、この作品は特に短めの作品です。それでもその中にたくさんのメッセージが詰まってて、人の心を打つのは、尺じゃないなって思わせていただいた。そんな作品です。グランプリにふさわしい素敵な作品でした。おめでとうございます!」と温かい総評を送った。

最後に、つんく♂より「今回はこれまでの流れもあって、ようやくたどり着いた中2映画プロジェクトとして初の長編作『小夜子の音色』の発表ができました。この作品はこれから中2映画プロジェクトやTOKYO青春映画祭を代表して、いろんな映画祭にも出品していくので、そういう意味でも楽しみはまだまだ続きます。そして、来年に向けて、監督や脚本、役者さんの募集も始まりますので、みなさまからのご参加、心よりお待ちしております!」と、来年のTOKYO青春映画祭がさらに楽しみになるコメントが寄せられ、明るい雰囲気の中、TOKYO青春映画祭2024は締めくくられた。

受賞作品・受賞者一覧

■グランプリ
作品名:クジラの背中で話すコト
登壇者:門田樹・倉本琉平

■準グランプリ
作品名:ふたりの吉田
登壇者:岡田奈津美

■審査員特別賞
作品名:フューチャー!フューチャー!
登壇者:眞鍋海里

■最優秀音楽賞
作品名:泥棒に選ばれし煩悩の教師
登壇者:坂田航

■最優秀青春賞
作品名:モテ気
登壇者:雨月マユ

■最優秀女優賞
作品名:8251
登壇者:伊沢 晶

■最優秀男優賞
作品名:大食い大好き大石さん
登壇者:黒須暁斗

■最優秀アイドル賞
作品名:モテ気
登壇者:松里音杏

■最優秀助演賞
作品名:青の灯
登壇者:香村奈保

■最優秀監督賞
作品名:いか、くじら、たこ、わたし
登壇者:安田幸平

■最優秀シナリオ賞
作品名:モテ気
受賞者:加瀬百(代理。本人留学のため)
登壇者:なゆこてゃん

■超ショートショート部門
作品名:恋泡水(コイソーダ)
登壇者:mina監督

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