2021年9月1日、Tri-Sphere(トライ スフィア)の3rd ワンマンライブが、新宿ReNYにて行われた。
この3rd ワンマンライブは、Tri-Sphereを牽引してきた釆澤彩香のラストステージであり、PRIMAL GLOWと推しごとの共同プロジェクト、Glow Up Girls!!のお披露目でもある。
そんな、Tri-Sphere 3rd ワンマンライブ 「SEIZE THE MOMENT」をレポートする。
Glow Up Girls!! お披露目ステージ
Tri-Sphere 3rd ワンマンライブのオープニングアクトとして、「Glow Up Girls!!」が初めてのステージに立った。
SEと共に、初めてのステージに緊張しながら登場するメンバー。衣装は黒い7分丈のパーカーにGlow Up Girls!!のロゴを入れた物を基本とし、メンバーごとにアレンジが施されている。ボトムスはショートパンツやロングスカート、ミニスカートでそれぞれ個性を演出している。
Glow Up Girls!!のお披露目の曲は、先輩ユニットTri-Sphereの曲『PRIZM』だ。
ユニットの初ステージとは思えないクオリティに、会場の観客も手拍子で盛り上がった。
この日の為にメンバーたちは事務所が用意したレッスン日以外にも、自主練習を積み重ねていた。さらに、ライブ直前のリハーサルでも、何度も確認をした努力の結果である。
『PRIZM』が終わり、川咲といろ、上村朔夜、姫野リオ、泡沫うゆ、天使るなの順で自己紹介がされる。川咲といろの御礼と「最後まで楽しんで下さい」という挨拶で彼女たちの初ライブは終了した。
メンバーの性格や個性については、プロデューサーのyUsUke氏のブログで語られているので、ぜひチェックして欲しい。
Tri-Sphere 3rd ワンマンライブ
OPSEが流れると、会場のファンたちがクラップで登場を盛り上げる。
ライブ名になっている『Seize the Moment』で開幕する。バスドラが響くダンサブルなナンバーだ。会場のファンたちのテンションも一気に上がる。
ここから、ノンストップで6曲が披露される。
2曲目は、イントロや間奏でMIXの代わりにクラップを入れ、ファンたちとの一体感を感じられるナンバー『staright』だ。Aメロ、Bメロのミステリアスな曲調から一転、サビはアップテンポなダンサブルサウンドに変化するのも聴いていて楽しい。
続く3曲目は『without you』。Bメロの落ち着いたメロディからサビへとつながる高揚感がとても心地よいナンバーだ。両端の斉藤春香と大塚美青が、佐倉リイナ&椋木芽瑠からそっとマイクを受け取り、釆澤彩香、佐倉リイナ、椋木芽瑠の3人で踊る姿はこの日で見納めなのだと感傷的になってしまう。
会場の熱をあげるメドレー
4曲目は『Irony』からメドレーになる。それまでのダンサブルなサウンドから、どこか気品さえ感じさせるアイドルソング。大塚美青の歌声が新宿Renyを包む。
『triangle relation』のイントロが流れると、会場からもクラップが発生。赤から紫へと変化する照明もとても美しい。歌詞の“トライアングル”に合わせ三角形フォーメーションで、さらに指で△を描く振付が印象的だった。
6曲目は『WORLD’S END』。それでまでのダンスチューンメインだった楽曲から、ロック色の強いサウンドに変化する。サビでの前後が入れ替わるフォーメーションと、拳を天に突き上げるダンスが思い出に刻まれる曲となっている。
メドレーラストは『Inside me』。ここまで一切の休みなく、まるで『Seize the Moment』から『Inside me』までがひとつの物語のような構成となっていた。改めてTri-Sphereの圧倒的なステージングに驚かされる。『Inside me』は疾走感溢れるベースラインで始まるロックチューンだ。曲中に釆澤彩香と斉藤春香が向かい合い、想いを交わすシーンは熱いものがこみ上げる。
MC
息をつかせぬまま『Inside me』を歌い上げたところでMCへ。
この日をもって卒業する釆澤彩香が進行役を務める。「3rd ワンマンライブ に来てくださってありがとうございます。今日は私の最後のライブなので、今まで1番楽しいライブにしたいです!!皆さんよろしくお願いします!」と釆澤が挨拶したあと、メンバーそれぞれが観客にむかって、来場してくれたことへの感謝と、トライスフィアを好きになってくれること、最後まで楽しんでもらいたいことをファンに伝える。
この日卒業の釆澤彩香よりも、あくまでファンありきの挨拶こそTri-Sphereの真髄なのだろう。MCの終わりに大塚美青が「Tri-Sphere動画は禁止だけど、静止画はOKなのでたくさん撮って思い出を残してほしい」とファンに呼びかけた。
釆澤彩香のソロ曲が切なくも美しい
MCが終わると暗転。ポップなイントロから始まる『PRIZM』。「君と出会ったあの日から」の歌詞が、卒業する釆澤彩香へのはなむけの様に、歌声がいっそうエモーショナルになる。
PRIZMの余韻を残したまま9曲目『Eternity』へ。「他の誰かと比べるのは悪いクセだよね」からのサビのフリが最高なアイドルソングだ。リズムも乗りやすく、タテノリで体を動かす観客もみられた。CメロはTri-Sphereでも高い歌唱力を誇る大塚美青が担当する。落ちサビのソロパートをメンバーが歌い上げたところからのサビへと連なる展開は非常に痺れるので、ぜひとも聴いてほしい。
続いて、「忘れないで。ふたり過ごした日々に重ねた思い出」の歌詞に釆澤彩香を重ねたファンも多かったに違いない『same as you』。ピアノの旋律が美しく、心地よいリズムと流れるようなダンスのハーモニーが見事な名曲である。ここからしっとりと聴かせる曲へとつながっていく。
『fall like snow』は曲名が示すとおり、ひらひらと舞う雪のようにスローテンポなバラードだ。釆澤彩香が歌う「導いた別々の道を いつか、また重なりあう日まで」という歌詞は4人に向けてのメッセージにも思えた。この曲はCメロがドラマチックであることも付け加えておきたい。
そして、釆澤彩香のソロ曲『farewell song』となる。切なくも美しいメロディで、会場のファンも静かに聴き入る。舞台にひとり立つ彼女に降り注ぐスポットライトは、まるでキラキラと輝く宝石の結晶のようであった。
MC 2
釆澤彩香が歌い上げたところで4人が登場し、二度目のMCへ。
大塚美青が「もう残すところあと4曲しかないんですって」といえば、斉藤春香が「もう一回初めからやりたい気分」と笑みを浮かべる。大塚美青は「こっからぶち上がりゾーンへ突入するから、テンション アゲアゲで」とさらにファンを盛り上げる。
そんなトークをよそに、斉藤春香と椋木芽瑠がファンが構えるカメラに向かってのファンサをする。
釆澤彩香が「全然泣いてなくない?」とメンバーに投げかけると、「はるたんが、さっき袖でなんか(泣きそうで上を向いていた)」と暴露される一幕も。
ラストパート
ラストパートの最初の曲は『Felling Good!!』、クラップから始まるドラムとギターのリフがどこか懐かしさをも感じさせるナンバーだ。佐倉リイナの存在感も抜群で、深く印象に刻まれる一曲となった。
14曲目は、イントロの電子サウンドがインプレッシブかつ元気あふれるナンバー『High Girls』。ソロパートの時に、歌っていないメンバーがペアを入れ替えながら踊る姿にも注目だ。メンバー同士がじゃれ合う姿に、彼女たちの仲の良さを感じた。聴いた人すべてを楽しい気持ちにさせる曲だ。
ますます勢いをつける15曲目の『Color of Summer』は、細やかに刻むリズムから、色鮮やかに展開するサウンドが耳に心地よい。メンバーカラーの布をタオルのように振り回したり、上に投げたりと夏を感じさせるパフォーマンスも。会場のペンライトとメンバーの持つ布が一体化する景色が美しい。
最後の曲は、ピアノの旋律で始まる『Sphere of Light』だ。「いつかの誰かの手と手がつながる日まで。明けない夜の中で光に変えて何度でも」と、例え今が辛くとも明るい未来を見せてくれるというメッセージが伝わってくる。Tri-Sphere 3rd ワンマンライブのラストを締めるにふさわしい曲だった。
ライブが終わり、会場のファンを背にメンバーの記念撮影が行われる。
「今日は平日にもかかわらず、沢山の方にライブに来てていただけて嬉しかったです。ありがとうございました」と挨拶して閉幕した。
アンコール
会場のファンたちから、アンコールを求める手拍子が鳴り始め、次第に大きくなっていく。
すると、アンコールに答える形で再度5人が舞台に登場。ファンたちが準備していた釆澤彩香の担当カラーであるピンクのサイリウムが会場を包む。
アンコール曲は『Our Sphere』。イントロ中、釆澤彩香がアンコールへの感謝と最後まで楽しんでいこうと叫ぶ。最後のサビ前の間奏が流れる中、メンバーがそれぞれ思いの丈を叫ぶ。
釆澤彩香「本当に楽しかった。みんな大好き!」
椋木芽瑠「今日は最高の一日でした!」
斉藤春香「新宿ReNY最高!」
佐倉リイナ「本日はお足元悪い中、来場していただきありがとうございました。(釆澤彩香にむかって)泣いてない?大丈夫?」
と言ったところでサビが始まってしまい、大塚美青が「え!?私の番は!?」と戸惑うシーンも。
「キミに出会えた事がボクの力になるから」の部分では、通常ファンたちを指さすが、この時はメンバー全員から釆澤彩香に向けられ、ラストは全員が寄り添い手を寄せ合った。
サビを歌い終えたところで、改めて大塚美青が「今日は本当にお越しいただきありがとうございました」と改めて挨拶。Tri-Sphereらしい、ちょっとゆるい感じで『Our Sphere』を歌い終えた。
大塚美青「うねちゃんとは2年以上一緒にいて、うねちゃんに会っていなかったら、アイドルしていなかった。アイドル続けてくれたからこそ、今の私がいます。ありがとう」
椋木芽瑠「うねさんとは1年経ったか経ってないくらいの活動期間だけど、音源発売やワンマンライブとか、すごいたくさんの思い出があります。私の憧れはうねさんなので、うねさんを超えられるような存在になります。うねさん大好きです!」
斉藤春香「Tri-Sphereが始まったうねちゃんとの2年前からの思い出が多すぎて・・・(言葉が詰まる)。たくさん泣いてたくさん笑って、楽しかった!ありがとう。これからもTri-Sphereは続くのでよろしくお願いいたします!」
佐倉リイナ「上手く喋れない私が最後でいいのかな…?(笑)。元々うねちゃんとは違うグループで活動してて、うねちゃんがTri-Sphereに誘ってくれて…(涙で言葉が詰まる)。大好きだよ。ありがとうございました」
釆澤彩香の挨拶が始まると、会場にほんのり流れていたSEが止まる。どうやらPAさんの粋な計らいのようだ。そんな中で釆澤彩香の挨拶が始まる。
「アイドルを初めた当初は初心者で、他のメンバーについていくので精一杯でした。でも一生懸命やってたらそのグループからだんだん人が抜けていって、気がついたら1人になってしまって。一番長く活動したのが、みおきちとはるたんで。ありがとうと思ってます。
本当に色々あったけど、続けて来れたのはみんなのおかげです。本当にありがとうございました。
『憧れられてもらうアイドル』になるという目標があったので、めるちゃんからに私がアイドルの憧れの存在と言ってもらえてすごく嬉しかったです。
(ファンに向かって)本当に5年間すごく楽しくて、たくさんいろんな景色みせてくれて、ありがとうございました!
最後の曲聴いてください。」
『Spica』のイントロが流れる中、釆澤彩香が「これまで本当にありがとう。これからもTri-Sphereの応援よろしくお願いいたします!」と叫ぶ。
挨拶を聞いたせいか、エモさがより一層強く伝わってきた。
会場のモニターに「Tri-Sphere」の文字が流れる中、最後はとびっきりの笑顔で歌い上げた。
「私は今日でTri-Sphereを卒業しますが、これからもTri-Sphereをよろしくお願いします!ありがとうございました」と、釆澤彩香が最後の挨拶と共にステージを後にした。
セットリスト
Seize the Moment
staright
without you
Irony
triangle relation
WORLD’S END
Inside me
(MC)
PRIZM
Eternity
same as you
fall like snow
farewell song
(MC)
Felling Good!!
High Girls
Color of Summer
Sphere of Light
~アンコール~
Our Sphere
Spica
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