『アンメット ある脳外科医の日記』に出演する山谷花純にインタビュー「この作品を見て心が豊かになれば」

山谷花純

『鎌倉殿の13人』『らんまん』『新空港占拠』『夢の中』など、注目の作品に出演している山谷花純。
4月から放送開始するドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』へのレギュラー出演が決定した。

そんな山谷花純へ、『アンメット ある脳外科医の日記』で演じる役についてや共演者との関わりについて語ってもらった。

山谷花純インタビュー「背中を押してくださる言葉がすごく台本には詰まっていました」

4月から放送開始する『アンメット ある脳外科医の日記』へのレギュラー出演が決定した山谷花純へ、役についてや共演者との関わりについてインタビュー。
また、現在放送中の『新空港占拠』についても、ラストに向けての現場のことなども語ってもらった。

『新空港占拠』は私たちも展開される度に驚かされることが多かった

前回は『新空港占拠』の際にインタビューさせていただきありがとうございます。 今回もよろしくお願いします。

山谷花純
山谷花純
よろしくお願いします。

新空港占拠もいよいよラストが近づいて来ましたね。

山谷花純
山谷花純
結構ドキドキの展開もあって私達もこういうふうに話が進むとは思っていなかったので、出演している側にもサプライズが多い作品だったなと思ってます。

山谷花純

見ている側でも、最後が見えない展開です。

山谷花純
山谷花純
私たちも展開される度に驚かされることが多いです。
「えっ!私そっち側だったの!?」みたいな事があったりと。

ニュアンスでは「○○な感じになるかもしれない」とは聞いてたんですが、「こんな形で!?」みたいな事もあります。それこそ山猫の正体とか、知ったの最近なんですよね。

山谷花純
山谷花純
みんな年が明けて2月ぐらいに色々なことがわかって、説明文みたいな資料をいただいて、それを見て「そうだったんだ!」みたいな、そっちの方に進むとは思ってもいなかったこととか、役の関係性とかもそこで知りました。

やっぱり演者側も本当に知らないことがありながら進んでいくんですね。
前回のインタビューの時に撮影の時あんまり人と会わないように撮影してるとおっしゃっていましたが、今も会わないように進めているんですか?

山谷花純
山谷花純
今はもう大丈夫です。
全員お面も取れたので、撮影所内やロケ先とかでも普段通りに過ごすことができるようになって、台本にも名前が書かれるようになりました。

話が進むにつれて現実世界でも共演者さん同士の距離が近くなっていってるのですね。

山谷花純
山谷花純
そうですね。出演者同士の距離感は変わらないんですけど、やっぱりお面をつけているときって喋る気にならなくて。
みんなオープンスタイルになってからは前室とかもすごい賑やかになりました。

山谷花純

放送始まってからの反響はどうでしたか?

山谷花純
山谷花純
私がお面を取る前に「これ山谷さんじゃないかな?」って予想したり当ててくださってる方も何人かいてすごいなと思いました。

お面を取ってからは、昔から応援してくださっているファンの方々はもちろん喜んでくださったんですけど、新しくこの作品を見てから私を知ってくださって応援してくださる方もすごく増えて、素敵なご縁が沢山ある作品だったなっていうのを感じてます。

そうするとSNSのフォロワーとかもだいぶ増えそうですね。

山谷花純
山谷花純
そうですね。ビューンって広がって、体感はあんまりないんですけど、数字で見ると反響がわかりやすいなと感じています。
ただ、それによって何か変えようかなって思うこともないので、これまで通り私が楽しいなと思うことを続けていけたらなって思ってます。

 

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山谷花純

 

『アンメット ある脳外科医の日記』の原作者は脳外科医

今回『アンメット ある脳外科医の日記』の出演が決まりましたね。

山谷花純
山谷花純
今回の作品はどういった概要の作品ですか?
脳外科医の話で、そこに訪れる患者さんと病院側が向き合っていくお話です。

杉咲花さんが演じる主人公の脳外科医のミヤビは記憶障害を抱えたお医者さんで、他の医療ドラマよりも患者さん側にすごく近い役です。
医者が後遺症を抱えている状態なので距離感が他の作品よりも近くて、寄り添い方も一緒に歩んでいくように手と手を取り合いながら、病と向き合っていって成長していくお話になっていると思います。

山谷花純
山谷花純
原作者の方が実際に脳外科医をやられていた方だったので、医療系のシーンとかは原作もすごくこだわって描かれています。今回ドラマ化にあたっても、そこはすごくリアリティを求めて物作りしていこうと全員で一生懸命勉強しているところです。

山谷花純

原作者がお医者さんというのは凄いですね。

山谷花純
山谷花純
原作を読ませていただいたんですけど、手術の術名とか、薬品名とか工程とかが、とても事細かに描かれています。
教科書とか医学書を読んでいるような気分になるというか、私も知らない血管とか脳みその仕組みとかも書いてあったりするので、実際にこれからお医者さんを目指してる方もこの原作を読んだら面白いんじゃないかなと感じました。

最近の日本のドラマでは聴覚障害とかを描かれる作品などがありましたが、記憶障害はすごく久しぶりなんじゃないかなって思います。

山谷花純
山谷花純
その主人公が抱えている記憶障害は、前の日の記憶が寝て起きたら無くなってしまうものです。
1日1日更新されずに、でも生きてはいて。明日は必ず来て。というその日常と向き合う葛藤だったり、記憶はないけど体の滞在記憶はあって。肉体的な記憶があるっていうその人体の不思議な感じなどもすごく繊細に描かれている作品です。

「新しい、すごく挑戦したドラマだな」と今感じてます。

山谷花純

見応えがあるというか、厚みがある感じですね。

山谷花純
山谷花純
そうですね。

 

演じる森陽南子は、人との距離感を掴むのがとても上手な子

そこの中で山谷さんが演じる役はどういう役になりますか?

山谷花純
山谷花純
私が演じさせていただく森陽南子という役は、主人公ミヤビと同じ病院で働く看護師です。
ミヤビが記憶を失うきっかけになった事故が起きる前から知り合いなので、今記憶障害という後遺症を抱えてても、私のことは覚えているという関係です。

事故が起きて2年間の記憶はないのですが、その前の2年は覚えてるので私のことは認識があって、ミヤビの抱えている記憶障害に対して、彼女なりの寄り添い方っていうのをすごく大切にしています。
いろんな人との距離感を掴むのがとても上手な子だなと本を読みながら感じています。

山谷花純
山谷花純
ミヤビは普通の人として扱ってもらいたい部分もあると思うんですけど、自分で補えない部分ももちろんあって。そういう狭間の部分をうまく汲み取って、森ちゃんはミヤビと良い距離感を保ちながら接している良き理解者で同じ病院で働く職場の仲間です。
さらに、人としても良いパートナーのような、そんな関係値の役柄なのかなって思います。

山谷花純

お医者さんと看護師さんっていう役柄なんですよね?

山谷花純
山谷花純
そうです。ただミヤビは記憶障害があるから、サポートをする看護師として、よく一緒にいるシーンが多いです。

事故が起きる前からミヤビと知り合いだった。というのはプライベートのお友達としてですか?

山谷花純
山谷花純
事故が起きる前に、ミヤビが研修医として今の丘陵セントラル病院の脳外科に来ました。
私もそこで働いてて、事故が起きる前にすごく腕の立つ脳外科医の研修医だった姿を見ており、変わってしまう前の本当のみやびの姿を知っている役柄です。

物語の中ではお友達というよりも、同僚に近い感じですかね?

山谷花純
山谷花純
描かれてない部分なのです「同僚から友達になっていったんだろうな」「いい距離感でいるな」っていう感じですね。

山谷花純

今回演じる森陽南子は、自分と比べて似ている点はありますか?

山谷花純
山谷花純
人が考えていることとかを察したり予測する能力とか、汲み取る部分が人よりも長けてるところとかは似てるのかなって思います。

森ちゃんは相手が受け取りやすい言葉で、タイミングとかも測っていて。相手を1番にして物事を考えられる子だなっていう印象ですね。
その点は森陽南子という役は、私よりもうまいかも知れないし、大人だろうなって思います。

ちょっと似てる部分もあるけど、そうじゃない部分もあって。

山谷花純
山谷花純
そうですね。
ただサバサバしてるというか、同僚の男性に対してはすごく物事をはっきり言う子なんですよ。
そういう部分とかは似てるなって思います。

山谷花純

 

二重でお芝居してる感覚になります

今回の役づくりをするときに、意識していることはありますか?

山谷花純
山谷花純
ナースステーションの時とか、患者さんから少し距離が置かれた場所での会話の時とかは、看護師という職種ではあるけど、普通のOLの役を演じる時みたいな、日常的なちょっと肩の力を抜いてるような雰囲気を出すようにしています。
山谷花純
山谷花純
逆に、患者さんの前に立った時とかは、スイッチを切り替えてもう1個フィルターを作るイメージで、患者さんを不安にさせないように緊張感を持ちながらも、相手には伝わらないように、表情や声のトーンとかは気にかけながらお芝居してます。
なので二重でお芝居してる感覚になりますね。

まだクランクインしてからそんな経ってないんですけど、今後自分がやりやすいポジションを見つけられたらいいなって思ってます。

山谷花純

もう撮影は進んでるのですか?

山谷花純
山谷花純
クランクインしたのが先週ぐらいなんですよ。
なので数日しかまだ現場には行けてないんですけど、すごくアットホームなチームで、現場の居心地は良いです。

役が決まって台本をもらったのは同時だったんですか?

山谷花純
山谷花純
同時くらいだったと思います。

では、原作と台本を並行して読んでた感じですか?

山谷花純
山谷花純
原作は衣装合わせの時に、読んだ方が良いのか確認してみたら、プロデューサーさんと監督から「役としての参考になるっていうよりかは作品全体として参考になるから、読んでもいいんじゃない?」といただけました。

なので、「これからどんな話になっていくのか?」というのをちょっと先に知っておきたいなと思って、今読み進めてるところです。

最初に物語に触れた時の感想を教えてください。

山谷花純
山谷花純
「脳みそって不思議だな~」と思いました。
まだ私も27でそこまで脳の病気を気にしたこともなかったし、自分の親も元気で何か検診に引っかかった事もなかったので、さほど身近な病ではなかったです。

なのに主人公のミヤビの紡ぐ言葉が、ものすごく真っ直ぐだけど相手に寄り添う形の真っ直ぐさで、病という葛藤を抱えてない私自身にもすごく響いたり、背中を押してくださる言葉がすごく台本には詰まっていました。

山谷花純
山谷花純
きっとこの作品は、人それぞれにある人生がより豊かになる時間っていうのを届けられる作品になるんだろうなっていうのを感じて、出演させていただく身だけど完成が楽しみで、1話早く見たいなって思っています。

山谷花純

 

撮影現場の雰囲気

杉咲さんとパートナー的な立場になると思うんですけど、現場では撮影するタイミング以外でも何かお話とかしたりしてるんですか?

山谷花純
山谷花純
まだ、そこまで撮影が一緒ではないですが、カットの合間などで少しお話しさせていただいたりしています。
共演させていただくのが今回初めてなのですが、すごくフランクで自然体な方です。
山谷花純
山谷花純
“座長としての器”のような、しっかりと芯が確立されてる方だなっていうのを隣にいてすごく感じています。
撮影を重ねもっといろんなお話をして、「本当の杉咲さん自身はどんな人なんだろう?」っていうのとかも、ちゃんと知れたらいいなと思うし、私のことも知っていただけたらいいなっと思ってます。

山谷花純

世代的にはだいぶ近いですよね?

山谷花純
山谷花純
1個違いとかですね。
話していてすごく居心地いいですね。

その良い感じがそのままドラマとかに反映されたりするといいですね。

山谷花純
山谷花純
そうですね。疑問に思ったことはいろんな人と共有をして、解決してからカメラの前に立ってお芝居に入られている姿を見て、この作品に対しての責任感をすごく持たれているんだろうなと感じました。

役や物語に対してすごく誠実な方なんだなと改めて感じています。

山谷花純

その点は近しいものを感じますか?

山谷花純
山谷花純
私も分からない事は「分からない」と言うから一緒だ!みたいな感じでそこはシンパシーを感じました。

他の共演者さんとはお話ししたりしましたか?

山谷花純
山谷花純
中村さんは”らんまん”で高知パートに出演されていて、私は東京編だったので現場で会うことは無かったんです。
けど、今回同じ看護師役で出演されてて、この間同じシーンだった時に”らんまん”の話をしたりしました。
あとお互い地方出身なので「地方の方言ってどういうの?」とかいろんな話をしたりしてます(笑)

山谷花純

本当に楽しいほんわかした現場なんですね。
最後にこの作品で視聴者さんに見てほしい山谷さん的ポイントがあったら教えてください。

山谷花純
山谷花純
記憶というのはものすごく人生を豊かにしてくれるものだとは思うんですけど、そこの部分をもし失ってしまったらどうやってみんな生きていくんだろう?って想像しても多分想像しきれないと思うんですよ。
山谷花純
山谷花純
ただ周りにはその人の事実というよりも、ちゃんと心の中を見てくれる人が大切な存在で。自分が独りぼっちに感じる事もあるかもしれないけど、ちゃんと目を凝らして周りを見てみれば、そういう人が1人ぐらいはいてくれて。

そんな人間関係だったり、頭の中で思い描いていることっては本当にちっぽけなことなのかもしれないなって思わせてくれる作品になってると思います。
だからこそこの作品を見た方々の、心がより豊かになればいいなと思います!

山谷花純

 

山谷花純 プロフィール

山谷花純

1996年12月26日生まれ。宮城県出身。みやぎ絆大使。
2007年エイベックス主催のオーディションに合格、翌年ドラマ「CHANGE」(08/CX)でデビュー。

主な出演作に、「あまちゃん」(13/NHK)、「FIAST CLASS」(14/CX)、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22/NHK)、『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(18/西浦正記監督)、(19)、舞台「ヘンリー八世」(22)、『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』(24/NHK)『新空港占拠』(24/NTV)など。
主演映画『フェイクプラスティックプラネット』がマドリード国際映画祭2019最優秀外国語映画主演女優賞を受賞。

公式サイト:https://avex-management.jp/artists/actor/TKASU
公式Instagram:https://www.instagram.com/kasuminwoooow/
公式Twitter:https://twitter.com/minmin12344

▼衣装
ジャケット、スカート、ビスチェ/EZUMi
ピアス、ネックレス、リング/Mana Rosa Jewel
シューズ/Desigual

▼スタッフ
スタイリスト 髙橋美咲 (Sadalsuud)
ヘアメイク 永田紫織(Nous Inc.)

 

撮影:矢沢隆則

 

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