高柳明音・町田慎吾がW主演、キ上の空論10周年記念公演 『幾度の群青に溺れ』ゲネプロ レポート

女優として活躍中の高柳明音が町田慎吾とのW主演となる、「キ上の空論」10周年公演となる舞台『幾度の群青に溺れ』が、2023年7月5日〜9日まで上演中だ。
初日のゲネプロでの熱演ぶりを、撮り下ろし写真と共にお届けする。

幾度の群青に溺れ ゲネプロ

ストーリーの鍵を握るのが、あるカルト教団をめぐってのトラブル。入信した家族が音信不通になったり、教団の批判を繰り返したタレントが失踪するなど、その反社会性が浮き彫りになる。
町田慎吾の演じるホストクラブの店長・太田マドカの周囲にも、この教団に人生を狂わされる人々が出てきて、徐々にマドカ自身も巻き込まれていく。

一方で、マドカがひょんなことから出会った不思議な女性が、高柳明音の演じる川辺タイラ。なんと彼女の唾液には、人を眠らせてしまう成分があり、これを摂取したものは眠りについてしまうという秘密を知る。果たして、教団の起こす事件とタイラの関連性は? 「SF」(=すこし・ふしぎ)な物語に、誰もが引き込まれていく。

タイラ(高柳明音)の登場シーンもかなり衝撃的。ネタバレになるので多くは明かせないところだが、これがマドカとの出会いとなる重要なシーン。

そこから自分の“唾液”に隠された秘密が紐解かれていくのだが、淡々とした表情で展開されるタイラとマドカのやりとり。高柳明音の真っ直ぐで美しい眼差しが、グッと観客を惹きつける。

謎に満ちた女であり、自分の本心を見せないタイラ。儚さ、あやうさがなんとも不思議で、そこにマドカも魅了されていくのだが、高柳明音の持つ透明感がぴったりと当てはまっている。

ストーリーとしては「オモテ」の軸がカルト教団で、「ウラ」の軸を動かしているのがタイラ。
でも、クライマックスに向けてウラの軸がオモテに変わっていき……。

エンディングシーンでは、タイラの決め台詞がオーディエンスの心に突き刺さる。
「生きること」、「命の大切さ」、「誰かを守ること」。高柳明音の演じるタイラを通じて、そんなことを深く考えさせられる名演であった。

テキスト:川西わたる
撮影:ケン:木村

 

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高柳明音
 

公演概要

キ上の空論10周年記念公演
幾度の群青に溺れ

【作・演出】中島庸介(キ上の空論)
【劇場】紀伊國屋ホール(東京都新宿区新宿3-17-7紀伊国屋書店新宿本店4F)
【料金】前売り7,200円/当日7,700円(全席指定、税込)
U-25割4,500円(税込)※25歳以下対象、要身分証明提示
【日程】2023年7月5日〜9日
【チケット】一般販売(先着)2023年6月10日〜
【チケットに関する問い合わせ】オデッセー
TEL03-4426-6303(月・水・金曜の13:00〜17:00)
【公演に関する問い合わせ】
キ上の空論 info@kijyooo2013.com

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